朱菜の妹は正反対【転スラ】 (ページ6)

今日:1 hit、昨日:36 hit、合計:156,607 hit

6 ページ6

『ﾊｧ…！ﾊｧ…！』

俺は森の深部に入り、ただただ魔物達を殺していった

ヘルモスの群れ…後数体で全滅出来たのだが、冷静では無かったのか体力が尽きていた

ｻﾞｼｭｯと肉が切れる音と、腹部に痛み…切られたのか……

ヘルモスが目の前に立ちはだかる

剣鬼も流石にここまでは来ないだろう

『ここまでか…まぁ…死んでも……いっか…』

そう覚悟を決めて目をつむる…が、一行にそれはやってこない

目を開けると息を切らした青鬼がヘルモスを倒していた

『な…何で……』

【此処に】と言おうとしたら、青鬼にきつく抱き締められた

『青鬼……？』

青鬼「…んて……で…れ」

『え？』

青鬼「死んでも良いなんて…言わないでくれ……！」

ハッキリと聞こえたその声。俺はその言葉に疑問を抱いた

『何で？俺は、忌み子だぞ？要らないだろ？里の皆から恐れられ、実の親からも嫌悪され、誰かに必要とされているわけでもない。なのに、何故死んでは駄目なんだ？』

純粋な疑問だった

だが、それを聞いた青鬼は悲しいような、苦しいような…そんな感情が混ざりあった表情(かお)をした

表情があまり変わらない青鬼が

青鬼「確かに里の皆からは忌み子と言われ、嫌悪されているだろう。だけど、俺はそんなことしない！俺はお前を忌み子なんて思ってない…だって、姫様と同じく腹から生まれてきただろ？なのにお前だけ忌み子なんて可笑しい」

青鬼は少し微笑みながら続きを言った

青鬼「誰もお前を愛さないのなら、俺がお前を愛す。誰もお前を受け入れないなら、俺がお前を全部受け止めてやる…だから…もう、死んでもいいなんて、言わないでくれ。約束だ」

そう言って小指を差し出した

『…嗚呼…約束だ』

俺達はその日、二人だけの約束を交わした