賢者の孫には姉が居るそうです3【賢者の孫】

114話 ページ14

シエル「秘密？」

『そう…秘密……私さ、ずっと眼帯つけてるでしょ？何でだと思う？』

シエル「……目が見えないとか…傷跡があるとかじゃないの？」

違う…全然違う……

いざ言うとなると…怖いな……

『…私は……魔人、なの』

シエル「…………」

『本当はお爺様とお婆様の孫でもないし、シンの双子の姉でもない。むしろ両親のどちらかが人類の脅威である魔人なんだ…だから、この右目も赤い』

私は眼帯を外してシエルの方を見た

シエルは確りと私の目を見ていた

『だから…！こんな化け物なんかより……シエルにはもっとちゃんとした女性がいるから……私なんかより…ﾑｸﾞｯ』

シエルに口を塞がれた

シエル「それ以上言わせないから…可能性は感じてた。シュトロームの件から…異様に強いし、魔力も高いし、眼帯外さないし…魔人の話すると決まってその眼帯に触れてたし…」

無意識だった……

シエル「けど…それでも、僕が好きになったのはAなんだ。人間とか、魔人とか…関係ない。AはA…それに、ほら」

シエルは私の顔を包むようにそっと触れた

シエル「シュトロームの赤目は綺麗じゃなかった…濁ってた……けど、Aの赤目は…透き通った、綺麗な赤じゃないか。僕はどんなAも愛せる自身があるよ」

それを聞いて涙が溢れた

私と言う存在を受け止めてくれたから

私と言う存在がこの世に居てもいいと言ってくれたような気がしたから

シエル「A…僕の彼女になってくれないかな？」

『ーーー…はい、喜んで！』

その日、私は今までで一番の笑顔でそう言った

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