振り向いてよ ７８０ ページ3
頭を下げたのとほぼ同時、後ろの木の幹に赤いペイント弾がバチィ、と飛散る。
目線だけで確認すれば、磯貝があと少し頭を下げるのが遅れていれば確実に額に当たっていたであろう位置に赤いペイント。
(速水が厄介すぎる！！ あの樹上を動き回って睨みをきかせているだけで...こっちは迂闊に近寄れない)
歯噛みしながら普段は滅多にしない表情で磯貝は限られている選択肢の中で考える。
(敵の旗を奪いたければ...最優先で速水を殺るしかない！！)
「...と、磯貝君が考えるのも、カルマ君の思惑通りでしょうねぇ」
上から戦況を眺めながら、殺せんせーは腕組みをしながら話す。
「だけど今の速水の強さは尋常じゃねェ。青チームは残り5人、ほぼ全員でかからなきゃ殺れねーぜ」
くい、と指先でマイクを口元に寄せると、カルマはすらすらと指示を出した。
「中村、銃撃戦が始まったら一気に勝負決めに行って」
フードしたの通信機から聞こえた指示に、手を挙げながら中村は陽気に返事を返した。
「オッケ〜、頼むぜ肉壁3人組」
あァ？！ と寺坂はイラついた声を上げた。なんで俺達が、と寺坂組が目線だけで問えば、聞いて、と真面目な顔がかえる。
「敵が速水と交戦する間は...反対サイドのこっちへの防衛は手薄になる。そこで私は、あんた達を盾にして突入する。私は旗を奪ることだけに集中する。敵が旗の防衛に残せるのはせいぜい1人、倒すか散らばって囮になるかは任せるよ」
そこまで言ってから言葉を区切ると、にまりと口元を緩ませた。
「あんた達が全員死ぬ頃には...私は余裕で旗に到達できる」
「俺ら生贄かよ。テメーも手段選ばねーな」
当然じゃん、と再び表情に緊張を乗せる。
真っ直ぐ前を向くその姿を、寺坂は静かに見つめた。
「ちゃんと皆で、殺せんせーを殺してやりたいもん」
「.....、中村よぉ」
これは前から思っていたことだ、と寺坂は口を開いた。
「バカになりたいからって本気でバカをやってみたり、絆を守る義務感から先頭切って殺す派になったり」
ボスッ、と不器用にフードの上から頭を撫でた。
「実はテメーがクラスで一番...クソ真面目なのかもな」
乱暴な手つきに、中村はフードを深く被り直した。
「.....、フン」
こんなやつに察されるとは、結構恥ずかしい。
白い頬が少し朱に染まった。
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ゆな - 更新待ってます！ (2022年4月2日 22時) (
レス) @page17 id: 4372998c0c (このIDを非表示/違反報告)
なのは(プロフ) - 更新楽しいです！ (2021年9月18日 2時) (レス) id: 60efdb9fc8 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - この作品本当に大好きです！！！だから、続きが凄い、、、、読みたいです！待ってます (2021年2月14日 2時) (レス) id: 614cc3c751 (このIDを非表示/違反報告)
こはるん - さっきの投稿で誤字しました…汗 “色々違う”ではなく、�狄А硬垤隋蹐任后Ｉ坿靴譴任垢澆泙擦鵝帖� (2021年2月13日 22時) (レス) id: 626751b232 (このIDを非表示/違反報告)
こはるん - さっきの投稿で誤字しました…汗 “色々違う” (2021年2月13日 22時) (レス) id: 626751b232 (このIDを非表示/違反報告)
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