【暗殺教室】彼はなかなか振り向いてくれない１６【赤羽業】 (ページ47)

今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:63,304 hit

振り向いてよ７９２ページ47

殺せんせーの命を助けるのに反対な人は、莉桜ちゃんと寺坂くん達。
私も、と名乗りを上げた方がいいのか迷ったけど、とりあえず意見を聞く事にした。

「助けるって言うけどよ、具体的にどーすんだ？あのタコを一から作れるレベルの知識が俺らにあれば別だがよ。奥田や竹林の科学知識でさえ...せいぜい大学生レベルだろ」
「で、でも」
「渚よ、テメーの言いたい事...俺等だって考えなかったわけじゃねぇ」
「けどな、今から助かる方法探して...、もし見つからずに時間切れしたらどうなるよ？」

確かに、時間もない中、手探りで見つけるのは限界がある、というか確率はかなり低い。

「暗室の力を一番つけた今の時期によ、それを使わず無駄に過ごして...タイムリミットを迎えることになるんだぜ」
「あのタコが、そんな半端な結末で、半端な生徒で、喜ぶと思うか？」

寺坂君達の言っていることは確かに正しくて、皆が黙り込む。
でも、と潮田君が口を開いた時、それを遮るようにカルマ君が話した。

「才能ある奴ってさ、なんでも自分の思い通りになるって勘違いするよね」

ねぇ渚君、ずいぶん調子乗ってない？

うっすら笑ってはいるけれど、言葉は全く穏やかじゃない。

「才能が無いなりに...必死に殺そうと頑張ってきた奴らの事も考えず。それって例えるなら...モテる女がブス達に向かって、「たかが男探しに必死になるのやめようよ～♡」.....とか言ってるカンジ？」
「そ、そんなつもりじゃ、第一、暗殺力なら僕なんかよりカルマ君の方がずっと...」
「そういうこと言うからなおさらイラつくんだよ。実は自分が一番...力が弱い人間の感情、理解してないんじゃないの？」

険しい表情でいうカルマ君に、潮田君は声を少しだけ荒らげた。

「違うよ！！そーいうんじゃなくてもっと正直な気持ち！！カルマ君は殺せんせーの事嫌いなの？映画一緒に見に行ったり...色々楽しかったじゃん！！」
「だァから！！そのタコが頑張って...渚君みたいなヘタレ出さないために楽しい教室にして来たんだろ！！殺意が鈍ったらこの教室成り立たないからさぁ！！」

ヒートアップしてきた二人の言い合い。喧嘩したところなんて1度も見たことがないし、二人ともこんなに怒ったところは初めて見た。
皆もそうだった様で、私と同じ様に固まって動けない。

「その努力もわかんねーのかよ！！体だけじゃなくて頭まで小学生か！？」

ただ、一つだけわかるのは、このままじゃやばいって事。