【暗殺教室】彼はなかなか振り向いてくれない１６【赤羽業】 (ページ15)

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●振り向いてよ７６２ページ15

殺せんせーは溜息を一つ付いたあとぽつり、ぽつりとひとつずつ言葉を紡いでいくように話し始めた。

「できれば、過去の話は最後までしたくなかった。けれど…しなければなりませんね。君達の信頼を、君達との絆を失いたくないですから」

私たちの間を隙間風が通り過ぎていく。
どくどくと速い鼓動が胸を打つ。
まるでこれから話される過去の重みを分かっているかのようなそれから耳を塞ぎたくなった。

「夏休みの南の島で烏間先生がイリーナ先生をこう評しました。"優れた殺し屋ほど万に通じる"……的を得た言葉だと思います。先生はね教師をするのはこのＥ組が初めてです。にも関わらずほぼ全教科を滞りなく皆さんに教えることが出来た……それは何故だと思います？」

……あぁ、胸が痛い。
誰かこのうるさい鼓動を沈めてくれないだろうか。

殺せんせーの話が核心に近づけば近づくほど胸の鼓動は速くなり、耳の奥の方で警笛なようなものが鳴っている感覚に囚われていく。

「……まさか」

竹林くんの何かに気付いたような声に殺せんせーが静かに頷く。
その瞳は相変わらずつぶらで、だけどその奥の奥にはざわめいた感情でゆらゆらと揺らめいていた。

「そう。二年前まで先生は……"死神"と呼ばれた殺し屋でした」

(あぁ…私の予想は強ち間違ってなかったんだ)

当たって欲しくないことほど当たってしまう。
こんな予想の能力なんていらないのに。
それでも今は殺せんせーの話に真剣になろうと殺せんせーを見据えた。

「それからもう1つ。放っておいても来年3月に先生は死にます。1人で死ぬか地球ごと死ぬか…暗殺によって変わる未来はそれだけです」

＿＿＿超生物は語り始めた。

秘められた……人間の記憶を