9話 ページ9
「ねぇ、浅野くん」
「なんだ」
自習する席についてから暫くして、いつも通り私から話しかけた。
「私の前では猫かぶり忘れるよね」
「初めの方はしてたんだがな」
「面倒くさくなったんでしょ」
「半分正解」
「半分だけかー」
もう半分は教えてくれそうに無いので考える事にする。腕を組んでそれっぽく考えるけど、さっぱり分かる気がしない。
「もう半分分かんないんだけど」
「内緒だ」
「いいじゃん、教えてくれたって」
「お前も教えてくれなかっただろ」
「別だよそれとこれとは」
「一緒だ」
「他所は他所うちはうち！」
「お母さんか。というかテスト前くらい勉強しろ」
綺麗な目にじっとりと睨みつけられてしまって、する予定がなかったワークを取り出す。
しかしやる気が起きないので頬杖をつきながらぺらぺらと捲るだけだ。
皆真面目にしてるのにこのおふざけ具合いはそろそろキレられそうだけど、折角浅野くんの隣に座れてるんだから勿体無い。
「おい」
一向に勉強を始めない私に、浅野くんが咎めるような声を出す。
「勿体無いじゃん〜」
「何がだ。その時間が勿体無いだろ」
「えぇ〜、浅野くんが居るんだから話したいよ」
自分勝手でわがままな話だけど。浅野くんとこの場所で話す時間が何よりも好きだと感じられるから。
「図書室は話す場所じゃないだろ」
「とか言いつつ結構喋ってるんだよ私達」
「......」
「痛っ、やめて無言でシャーペンでつつかないでよ」
無言でつつき続けていた浅野くんだったけど、暫くしてから溜息と一緒に声を吐き出した。
「......、ワーク終わったら話してやるから、お前もさっさと終わらせろよ」
ちょっとこれには謎にときめいたぞ、浅野くん。
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にゃは(プロフ) - 尊すぎて涙出てきたどうしよう (3月17日 1時) (
レス) @page22 id: d295fcb7a5 (このIDを非表示/違反報告)
sirousagi(プロフ) - 最近は成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗とか、完璧超人設定が多くて…。これはそんな設定も書かれてないし、自分の想像で読めるから本当いあ！！こんな作品探してたんです！！ドンピシャで本当いい作品だった！！ (2022年3月28日 3時) (レス) @page22 id: 53c96774ab (このIDを非表示/違反報告)
キングミカン(プロフ) - 最高な小説でした。浅野くんの夢小説の中でも群を抜いて大好きな作品です。素晴らしい作品をありがとうございます！ごちそうさまでした！ (2021年3月2日 21時) (レス) id: 96f79cb953 (このIDを非表示/違反報告)
天泣tenkyu！(プロフ) - とてもキュンキュンしました〜素敵な作品をありがとうございます！ (2019年8月12日 22時) (レス) id: 496fdd910e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - とても面白かったです！浅野くんかっこよすぎです… (2019年3月5日 20時) (レス) id: a8dea294c9 (このIDを非表示/違反報告)
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