19話 ページ19
「そういえば、意味はわかったのか?」
「......え? あぁ...、考えてなかった...」
急に話題を変えたから、少しだけ間が空いてしまった。案の定考えるのを忘れていた私に、浅野くんは溜息をつく。
「お前が分かるようにするとか言うからこっちは待ってるんだぞ」
「そうなんだけど、難しいよ」
「直訳してるんだろ、どうせ」
「直訳以外にどうすればいいの?」
「......お前海外小説とか映画とか見ないのか?」
「和訳されてるやつなら読むよ」
「あぁ...、なら無理だな」
「えっ、まさかスラング?!」
「そういう感じのだ」
「そりゃわかんないよ! うわぁまじか...」
今すぐ調べたいが、あと少しで下校時間になるところだった。
「どうしよ、新学期でもいい?」
浅野くんのラインも何も知らないので、次会う時でもいいかと聞く。
「いや、もうすぐ分かるからいい」
「ん? どういう事?」
「ほら、さっさと帰るぞ」
「え、待って、え?」
戸惑う私をよそに浅野くんは荷物をまとめ始めている。帰るぞ、という事は一緒にという事だろうかと私もカウンターから荷物をとった。
・
・
校門を出たあとも話さない浅野くんに、あのさ、と話しかけようとした時、被せるようにして浅野くんが口を開く。
「僕の好きな人の話なんだが」
「唐突だね?! なに?」
「1週間くらい前に告白紛いのことをした」
「ほんとに?! それで?」
「相手が意味をわかってなかった」
「そんなに分かりにくい告白したの?」
「僕は簡単だと思ったんだが、相手は英語が苦手なんだ」
「英語で告白したの?! 凄いね!?」
「告白されたとも思ってないだろうな」
「なんで英語でしちゃったわけ...」
「特に理由は。強いて言うなら英語をしていたからだな」
「......ん? そっか」
英語をしていたから? 一緒に英語の勉強でもしたのだろうか。ちょっと引っかかるなぁと思いながらも話を聞く。
「だから、今度はちゃんと告白しようと思う」
「うん、そのほうがいいと思う」
「だよな。じゃあ今からする」
「.....え?」
おかしい、と顔を上げる。珍しく固い表情の浅野くんと目が合った。
「僕の好きな人はお前なんだが」
どうする? 付き合ってくれますか?
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にゃは(プロフ) - 尊すぎて涙出てきたどうしよう (3月17日 1時) (レス) @page22 id: d295fcb7a5 (このIDを非表示/違反報告)
sirousagi(プロフ) - 最近は成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗とか、完璧超人設定が多くて…。これはそんな設定も書かれてないし、自分の想像で読めるから本当いあ!!こんな作品探してたんです!!ドンピシャで本当いい作品だった!! (2022年3月28日 3時) (レス) @page22 id: 53c96774ab (このIDを非表示/違反報告)
キングミカン(プロフ) - 最高な小説でした。浅野くんの夢小説の中でも群を抜いて大好きな作品です。素晴らしい作品をありがとうございます!ごちそうさまでした! (2021年3月2日 21時) (レス) id: 96f79cb953 (このIDを非表示/違反報告)
天泣tenkyu!(プロフ) - とてもキュンキュンしました〜素敵な作品をありがとうございます! (2019年8月12日 22時) (レス) id: 496fdd910e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - とても面白かったです!浅野くんかっこよすぎです… (2019年3月5日 20時) (レス) id: a8dea294c9 (このIDを非表示/違反報告)
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