16話 ページ16
最近どうしたの、と友達に聞かれたのは、自覚して１週間ほどたった日のことだった。
「え、何が？」
「何がじゃないでしょ、あんた浅野くんめっちゃ避けてない？」
図星を刺されて喉が詰まった。好きだと自覚した瞬間、変に意識してしまってここ最近はめっきり彼とは話していない。
「そんなわけないじゃん、ただ忙しくて図書室に行ってないだけで」
さらりと躱すようについた嘘。図書委員長の特権をこれでもかというくらいに乱用し、担当の日は書庫にこもってカウンターに居ないようにしたし、担当以外の日はそもそも図書室に寄り付かなくなった。
１学期も明日で終わりを迎える。私の心の整理がつかない。夏休みを挟んで少し冷静になりたいのだ。
ぶつぶつと言い訳する私に、友達は呆れたような視線を投げる。どうやら嘘には気が付いているようで、なにか悟ったような表情で今更か...と呟いていた。
「遅すぎると思うけど、まぁ、うん」
「何が？」
「こっちの話。気がついて良かったね」
そう言って苦笑した後、友達はさっさと荷物を纏めて教室を出て行ってしまった。後を追うようにして私も教室を出る。
小走りで図書室まで向かうと、そろりと扉を開いた。誰もいない事に少しの安堵と寂しさを覚えつつ担当表に名前を書き込むと荷物をカウンターの下に置いて、後ろの書庫に入った。
本を整理する気にもなれず、扉にもたれかかったままその場に座る。
ぼんやりと天井を見上げながら、何をしているのだろうと考えた。
「バカだなぁ...」
思わず口にしてしまう程、今の私はバカだった。浅野くんは避けられていると気がついているのだろうか。頭いいし、案外気がついているかもしれない。
そんな事をぼんやりと考えていたら、図書室の扉が開く音が耳に入る。
もう1人担当の子が来たのかとスカートを叩きながら立ち上がった。
担当の子なら私が書庫に居ることは絶対に分かっているし、ここにいて大丈夫だと適当に本をとってぺらぺらと捲っていたら、こんこん、とノック音がした。
びっくりして本を閉じると、扉の方に顔を向ける。
誰だろうかと扉を開けた。
「久しぶりだな」
担当の子だと思ったら、不機嫌そうな顔をしている浅野くんだった。
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にゃは(プロフ) - 尊すぎて涙出てきたどうしよう (3月17日 1時) (
レス) @page22 id: d295fcb7a5 (このIDを非表示/違反報告)
sirousagi(プロフ) - 最近は成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗とか、完璧超人設定が多くて…。これはそんな設定も書かれてないし、自分の想像で読めるから本当いあ！！こんな作品探してたんです！！ドンピシャで本当いい作品だった！！ (2022年3月28日 3時) (レス) @page22 id: 53c96774ab (このIDを非表示/違反報告)
キングミカン(プロフ) - 最高な小説でした。浅野くんの夢小説の中でも群を抜いて大好きな作品です。素晴らしい作品をありがとうございます！ごちそうさまでした！ (2021年3月2日 21時) (レス) id: 96f79cb953 (このIDを非表示/違反報告)
天泣tenkyu！(プロフ) - とてもキュンキュンしました〜素敵な作品をありがとうございます！ (2019年8月12日 22時) (レス) id: 496fdd910e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - とても面白かったです！浅野くんかっこよすぎです… (2019年3月5日 20時) (レス) id: a8dea294c9 (このIDを非表示/違反報告)
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