14話 ページ14
「ねぇ、浅野くん」
「なんだ」
「今日も告白されてたね」
「また盗み聞きか」
「またって何。大体校舎裏で告白されすぎなのが悪いんでしょ」
「お前が別の自販機に行けばよかっただろ」
「だから今日はさっさと別の場所に行ったんだよ」
あんまり聞きたくなかったし、と心の中で付け足す。
「断ったの？」
「あぁ」
「また断ったのかぁ。勿体無いね」
「勿体なくはない。第一僕には好きな人が居るからな」
さらりと何でもない風に浅野くんが言うから、私はそれをスルーしかけてしまった。
「ちょ、え？ 浅野くん好きな人居るの？」
「居る」
「ほんとに？！」
「嘘ついてどうするんだ」
「え、だってそんなのすぐ噂になるじゃん」
「今まで誰にも言ってなかったからな」
「ええ、私でよかったの？」
「お前なら分からないだろ」
「何かディスった今？」
「気のせいだ」
気のせいじゃないよね、と言ってから私は黙り込む。浅野くんは特に顔色も変えず、また勉強をはじめてしまった。
なんか嫌だな...。好きな人がいるなんて。
胃が締まってモヤモヤする。これは友達が取られるかもしれないという思いからなのかと考えたけど、なんか違う。
がく、と机に伏した私を見ても、浅野くんは何も言わない。当たり前だ。いつもの事だし。
なんか嫌だ、なんか無理。ともやもやしながら目を瞑る。
なんか、が何なのか分からない。
「その子のこといつから好きなの？」
ちょっと不機嫌っぽい声で聞いてみる。浅野くんは気づいていないようで、変わらない声で答えた。
「入学式の時からだな」
「ひゅー、一途だね浅野くん」
そんなに真っ直ぐに好いている人が居るのか。浅野くんの中で1番。特別。
そう考えるとさらに嫌だと思う気持ちが大きくなってくる。
だって嫌じゃん、私の中で1番は浅野くんで、特別は浅野くんなのに。
.........、
瞑っていた目を開けて、起き上がる。
そのままゆっくり浅野くんの方を見れば、なんかキラキラしてた。
「え、浅野くん」
「なんだ」
「......キラキラ...」
「は？」
「...なんでもないです...」
ころりと心の中で転がった1番と特別は、明らかに友達の枠組みではない、と自覚したのはこの瞬間。
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にゃは(プロフ) - 尊すぎて涙出てきたどうしよう (3月17日 1時) (
レス) @page22 id: d295fcb7a5 (このIDを非表示/違反報告)
sirousagi(プロフ) - 最近は成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗とか、完璧超人設定が多くて…。これはそんな設定も書かれてないし、自分の想像で読めるから本当いあ！！こんな作品探してたんです！！ドンピシャで本当いい作品だった！！ (2022年3月28日 3時) (レス) @page22 id: 53c96774ab (このIDを非表示/違反報告)
キングミカン(プロフ) - 最高な小説でした。浅野くんの夢小説の中でも群を抜いて大好きな作品です。素晴らしい作品をありがとうございます！ごちそうさまでした！ (2021年3月2日 21時) (レス) id: 96f79cb953 (このIDを非表示/違反報告)
天泣tenkyu！(プロフ) - とてもキュンキュンしました〜素敵な作品をありがとうございます！ (2019年8月12日 22時) (レス) id: 496fdd910e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - とても面白かったです！浅野くんかっこよすぎです… (2019年3月5日 20時) (レス) id: a8dea294c9 (このIDを非表示/違反報告)
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