12話 ページ12
そうそれ！ と言えば、浅野くんはそれを言ったっきり特に何も言わなかった。
私がぶつぶつと言われた言葉を反芻していたら、それを見て浅野くんが口を開く。
「分かると困る気もする」
「え、悪口とか？」
「違う。分かって欲しいけど、まぁ、分からなくてもいい」
「ちょっとー、それ余計気になる！」
絶対分かるようにする！ と宣言すれば、頑張ってくれと言われた。
ーー
ーーー
「ユー、テイク、マイ...」
校門までの道のりを、やっぱり私は呟きながら歩く。
「随分と考え込んでいますねぇ」
「ぎゃぁ？！」
何なんだろうと足元を見ながら考えていたからか、突然声が降ってきて私は飛び上がる程驚いた。
弾かれるように顔を上げれば、集会の時に見たE組の新しい担任の先生。相変わらず変な服装に曖昧な関節だし、なんだか大きい。
「すみません、驚かせましたか」
「い、いえ、別に...」
変に緊張する心臓をなんとか抑えて返事する。先生はそうですか、と言うと、考え事ですか？ と本日2度目の質問をしてくる。
「まぁ...はい」
「英語の様ですが...」
「そうなんですよ」
丁度いいや、先生だし聞くか...、とズルしている気分になりながらも話す。
「You take my breath away.とI’m falling for you.ですか、これは...」
「分かりますか？」
「えぇ、分かりますよ。男の子に言われたんですか？」
「えっ、はい。友達みたいな人に...」
そう言うと、先生は元々ニヤついている顔をもっとニヤニヤさせてそうですか、そうですかと何度も言った。
「え、なんですか、教えて下さい」
「教えてあげたいんですが、これは君が考えるべきですねぇ」
「えぇっ、分かんないから聞いたのに...」
「綴りも分かりませんか？」
「うっ、はい...」
「綴りが分かればすぐですよ」
「うそ、ホント？」
「直訳しなければですが」
言いながら先生はメモはありますか？ とふにゃふにゃの腕を差し出してくる。
鞄からペンとルーズリーフを差し出した。
「ヌルフフ、彼には申し訳ないですがねぇ」
「わ、ありがとうございます...！」
綴りが書いてあるルーズリーフを手渡された。これで漸く意味が分かる...！
「それにしても、随分と熱烈なんですねぇ」
そう先生は言うと、ヌルフフと笑いながらE組の校舎へ向かっていった。
「...は？ 熱烈？」
残された私はルーズリーフを見つめながらぽそりと呟いた。
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にゃは(プロフ) - 尊すぎて涙出てきたどうしよう (3月17日 1時) (
レス) @page22 id: d295fcb7a5 (このIDを非表示/違反報告)
sirousagi(プロフ) - 最近は成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗とか、完璧超人設定が多くて…。これはそんな設定も書かれてないし、自分の想像で読めるから本当いあ！！こんな作品探してたんです！！ドンピシャで本当いい作品だった！！ (2022年3月28日 3時) (レス) @page22 id: 53c96774ab (このIDを非表示/違反報告)
キングミカン(プロフ) - 最高な小説でした。浅野くんの夢小説の中でも群を抜いて大好きな作品です。素晴らしい作品をありがとうございます！ごちそうさまでした！ (2021年3月2日 21時) (レス) id: 96f79cb953 (このIDを非表示/違反報告)
天泣tenkyu！(プロフ) - とてもキュンキュンしました〜素敵な作品をありがとうございます！ (2019年8月12日 22時) (レス) id: 496fdd910e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - とても面白かったです！浅野くんかっこよすぎです… (2019年3月5日 20時) (レス) id: a8dea294c9 (このIDを非表示/違反報告)
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