1話 ページ1
「ねぇ、浅野くん」
「なんだ」
だらりと図書室の机に腕を投げ出しながら浅野くんに声をかけた。
かけられた浅野くんは行儀悪いぞと言いたげな目線でこちらを見る。
「私.....痩せようかな...」
「今更?」
若干遠い目になりつつ私が言うと、浅野くんは首を傾げた。今更ってなんだ今更って。
「え? なに? 今更?? え、もう痩せてるって事?」
「ポジティブに受け取り過ぎだろ。今更遅いんじゃないのかって事だ」
「うわぁ女の子に向かってなんて事を言うんだ」
「僕の理想の女の子は行儀悪く机で伸びたりしない」
「理想高すぎでしょ」
「お前がハードル低すぎるんだろ」
そう言うと教科書の角で私の頭を小突いてきた。痛たァ〜、と大袈裟に頭を抱えれば溜め息を吐かれる。溜め息を吐いた浅野くんはそのまま視線を外してまたノートにペンを滑らせている。
私は頭を抱えていた手を机の上で組んで、腕の上に顎を置いた。横目で見る浅野くんはとてもかっこいい。横目じゃなくてもかっこいい。イケメン滅びろと呪いをかければかけられた本人は涼しい顔ですらすらと難しい問題を解いている。
暫くは浅野くんの休まずに動く手とか、問題を追いかける目とか、真剣な表情とかを観察していたのだけど、それにも飽きて再び声を出す。
「ねぇ、浅野くん」
出したはいいけど全く反応がない。隣に座っているんだから、聞こえないなんてことは無いから無視されているんだろう。
半袖のシャツから覗く、男の子らしい腕に手を伸ばして揺さぶった。揺さぶられた浅野くんは怪訝な表情でこちらを見た。
目線が合ったことに少し満足して口を開く。
「お腹減った...」
「お前痩せる宣言どこいった」
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にゃは(プロフ) - 尊すぎて涙出てきたどうしよう (3月17日 1時) (レス) @page22 id: d295fcb7a5 (このIDを非表示/違反報告)
sirousagi(プロフ) - 最近は成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗とか、完璧超人設定が多くて…。これはそんな設定も書かれてないし、自分の想像で読めるから本当いあ!!こんな作品探してたんです!!ドンピシャで本当いい作品だった!! (2022年3月28日 3時) (レス) @page22 id: 53c96774ab (このIDを非表示/違反報告)
キングミカン(プロフ) - 最高な小説でした。浅野くんの夢小説の中でも群を抜いて大好きな作品です。素晴らしい作品をありがとうございます!ごちそうさまでした! (2021年3月2日 21時) (レス) id: 96f79cb953 (このIDを非表示/違反報告)
天泣tenkyu!(プロフ) - とてもキュンキュンしました〜素敵な作品をありがとうございます! (2019年8月12日 22時) (レス) id: 496fdd910e (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - とても面白かったです!浅野くんかっこよすぎです… (2019年3月5日 20時) (レス) id: a8dea294c9 (このIDを非表示/違反報告)
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