兄妹。 ページ26
「き、きょうだい……?!」
信じられない、と日向君が元々丸いめを更に丸くさせる。……まぁ、私と碧あんまり似てないもんなぁ。
「うん。年子……同級生兄妹って感じかな」
「?双子じゃねぇのか?」
「双子じゃないよ。碧が四月生まれで、私がその次の年の三月生まれ。だから同級生兄妹」
「ああー、十河さん早生まれなのか」
納得、と言った表情でスガワラ先輩が頷いたけど、日向君とカゲヤマ君、あと2人の2年生かな……が不思議そうな顔をしていた。ややこしいよね、双子じゃないけど同い年の兄妹って。
「兄妹って事は家族ってことだろ?」
「うん?そうなるね」
「じゃあ何で」
日向君が言い切る前に、縁下先輩が「こら」と咎めるような声を出した。それに私は大丈夫ですよと首を振って、口を開く。
「親が高校上がる前に離婚しちゃったんだよね。だから苗字が違うの」
私はお母さんについて行ったけど、碧はお父さんの元に残ったから。
私がそう言えば、日向君達は微妙な表情を見せたし、日向君は「う……ゴメン……」と謝ってきた。別にいいのに。
「気にしてないよ、元々離婚するんだろうなぁって思ってたし。それにもう4ヶ月も経つし」
私の両親は元々見合い結婚だったけど、徐々に仲が悪くなっていき、最終的に私達が高校に上がるまで夫婦生活を続け、そのあと離婚しようと決めていたそうだ。
「それで日向君私の事ちらちら見てたの?」
「うん。だって十河さんがあんな風に話す男子初めて見たし」
「……まぁ兄妹だし……」
それに、今も十分私からすればペラペラ喋ってる方だ。……喋るのに慣れてなくてそろそろ疲れてきたけど。
「同級生兄妹かぁー!なんかいいな!」
「そ、そう?」
日向君が太陽スマイルでそう言ってくる。
そんな風に言われたの初めてなんだけど、良いって、どこが。全然良くないけど。あ、でも忘れ物した時は確かに助かってた。
「俺ん家にも夏って妹がいてさ!」
「そうなんだ…」
「写真みる!?めっちゃ可愛いんだよ!」
「あ、……ウン……」
べ、勉強は……?と困惑した所で、後ろからサワムラ先輩の「おい、勉強。お前ヤバいんだから」と圧のある声。
「スミマセン!!!」
日向君は光の速さでプリントに向かい、注意されていないカゲヤマ君も何故か秒でペンを動かし始めた。
「ごめんな、十河さん」
サワムラ先輩が私の顔を覗き込んでそう言ってくる。距離が思ったより近くて、心臓が掴まれた音がする。
「あ、いえ、大丈夫です」
顔、赤くなってないことを祈るばかりだ。
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ちんすこう - 更新しないんですか?凄く楽しみ待ってます。数ある大地さんのお話の中で一番好きです! (2020年5月12日 10時) (レス) id: 9e27674b7b (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - 草さん» 返信遅れてしまって申し訳ありません。そうなんですね・・・!知識不足でした、ありがとうございます。大地さん大好きなので我慢出来ずに書いちゃいました。読みやすいと言っていただけて安心しました。妬いちゃう大地さん難しかったので萌えて頂けてなによりです。 (2019年11月5日 21時) (レス) id: 3e7d8a8bee (このIDを非表示/違反報告)
草(プロフ) - 早生まれは1/1から4/1で、遅生まれが4/2から12/31なので三月生まれの夢主は遅生まれではなく早生まれですね。大地さん夢珍しい上に文が読みやすいです。妬くところ大地さん普通の高校生で萌えました。 (2019年11月2日 23時) (レス) id: 59c85b2532 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏 | 作成日時:2019年9月8日 20時