届かない。~2~ ページ2
加州「ほら、もうちょっと此方に来て」
登校用の電車は通勤ラッシュ。
普段からあんまり電車を使わないから甘く見すぎていた。
(狭い...。)
人と人の間で詰まる私を､加州は自分の方へ引っ張ってくれた。
それでも狭いものだから加州にべったり着いてしまった。
(とっても良い香り...)
加州からは甘いようで爽やかな良い香りがしてきた。
ちょっとだけ、そっと彼の胸に顔を押し付けた。
「っ...ちょ、A..!」
加州はビックリして私を離した。
そして口元を隠しながら素早く私に背を向けた。
嗚呼､そっか。
もう嫌われてるもんね。
ポジティブ何かに考えれないからね。
すごく､すごく胸が痛いのにな...。
あれから１つ目の駅に着いた。
そこで大勢が降りて、身動きが取れるようになった。
(何か、居づらいな...)
空気が重く､少しだけ加州のもとを離れた。
--
( ! 嘘、何で今日に限って..)
少し経つと退屈になり、辺りを見回した。
するととある女の子が怯えた顔で立っていた。その後ろには少し息の乱れた中年の男。
つまりこの状況は＿＿
「ねぇ....」
私はその女の子に近付いた。
彼女はゆっくりと此方をみると､眉を下げて此方を見つめて来た。
(やっぱり...)
私はそっと鞄に手を入れ、シャーペンを取り出した。
ｶﾁ...ｶﾁ...
幸い電車内はざわついて居て､後ろの男は私に気付いても居ない。
そっと男に近付きシャーペンの芯を男の手に刺した
「イ''っ...!?」
シャーペンなものだから血は出ていない。
男はビックリしたような顔で此方を一度見て､何事も無かったようにその場を逃げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆりか - もっとみたい〜！乱ちゃん！？まさかのまさか！？痴漢…チカンされる位可愛いの！？凄いと思って終いました…。男の娘なのに…。女子力でふつーに負けました…。顔も…。でも！！桜餅さんの小説とても面白いです！頑張って下さい！！ (2017年7月31日 16時) (
レス) id: 073b3b6cdc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜餅 | 作成日時：2017年1月28日 22時
