番外編 ヒロから見たhys ページ49
「なぁ、何で林ってそんな頭良いの？」
「…」
(アイツら、また地雷踏んだな…懲りないヤツらめ)
林は誰よりも、『何で頭良いの？』と聞かれるのを嫌がる。
まぁ俺的には、林にそういうことを聞いちゃうやつの気持ちも、林の気持ちも分かるからどっちかだけの味方なんて無理なんだけど。
「まーまー、林が頭良いのは、お前らよりずっと努力してるからだろ？悔しかったらコイツよりも勉強しとけ」
「とか言ってるお前も内心僻んでるんじゃないの？」
「大変だな、林のフォローしなきゃいけないのは。」
(さすがに最後の言葉は聞き捨てならねー…)
明らかに林をよく思ってない言葉。まぁ、確かに本人の性格が災いして、よく誤解されてる部分なんだけど。
フォローするのは当然だ。だって俺が一番、林が誰よりも努力してるのを知ってるから。
「俺を僻む暇があるなら、もっと勉強して俺を追い越せばいい。世の中、俺より頭いい人なんてたくさんいる。」
(あーっ、何でそういう言い方になっちゃうかな！)
言ってることは間違ってない。林は勉強の成績でいえば、この学校の超上位層に位置してるけれど、トップではない。
その悔しさも相まって、勉強への努力を怠らないんだろうけど…もう少し言い方を、と思ってしまう。
「林は、勉強より人との接し方とか勉強した方が良いんじゃねーの？」
本人も薄々それは分かっていたのか、言葉に詰まっている。
そんな林に追い打ちをかけるように…というか、これ以上どういう言葉をかければ良いのか分からずに…クラスメートは結構酷な捨て台詞をはいた。
「勉強の才能だけしかないお前なんか、誰が必要とするんだよ。」
騒がしい教室の中で、俺たちの所だけがシーン、となる。
チラッと林の方を見ると、表情はかたい。その表情のままゆっくりと立ち上がる。
「あ、待てよ、林っ」
ノロノロと教室を出ていく林を追いかける。今のアイツを、一人にしておく訳にはいかない。そんな気がした。
林を何とかつかまえれたのは、人気のない廊下の隅っこ。
「林っ、俺は、分かってるつもりだから。お前が誰よりも努力してること。」
「…うん。」
「林は内部進学、だよな？」
「まだ決めてない。けど、多分内部進学。」
「何で、迷ってんだ？」
「どうせ俺は快く思われてない。なら、Aさんの高校受けても良いかなって思った。」
少しだけ林の表情が緩む。…変わってないな。
林は…無口だし、愛想ないし、でもすごく努力家なんだ。
そして、上川さんの話になると、年相応の表情を見せる。恋愛面では、不器用で鈍感。そんな気がした。
番外編 レモンティーの思い出 hys→←番外編 朱音から見たhys
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イルジオ(プロフ) - 読ませて頂きました！「イルジオの感想置き場」という小説に、感想を書かせて頂きました。見てくださると嬉しいです。それと、お気に入りと高評価をさせて頂きました！ (2020年6月22日 17時) (
レス) id: 40356dc556 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - あいく-Qさん» コメントありがとうございます…！これから学校の方が忙しくなってくるので、せめて週末にでも投稿出来たら良いなと思います…！ (2020年6月5日 15時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
あいく-Q - 続編おめでとうございます！これからも楽しみにしています♪ (2020年6月5日 11時) (レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aoi | 作成日時：2020年6月2日 21時
