・ hys ページ43
とか言いつつ、俺も言われてみれば懐かしい思い出が蘇ってくる。
あの頃に抱いている感情と、今、抱いている感情は全く違う気もするし、少しだけ似通ってるような気もする。
「覚えてるよ。輝幸、レモンが嫌いでよく私にレモンだけくれてたよね。」
「あぁ…あったな、そんなことも。」
単純に酸っぱいのが苦手で、でもAはレモン好きだったから、避けるついでにAにあげたのだ。
…懐かしい。
「私は昔からずっと輝幸が好きだから、覚えてるよ。」
急に真面目な感じに言われると、照れる。昔から、か。具体的にいつからか、って聞いてもいいのかな。
Aはいつから、俺を想ってくれていたのだろうか。
「Aはさ、いつから俺のこと好きなの？」
「なっ、何急に？…そんなの、覚えてないよ。」
「そう。まぁ、いつからだとしても良いか…今、Aが俺を好きなら、それで。」
本当、奇跡みたいだなって思う。
好きな人が、自分を好きでいてくれることが。この奇跡をそう簡単に壊したくはない。
「…A。クリスマス、一緒に過ごさない？」
「あっ、それ、私も思ってた！」
「おぉ、マジ？じゃあ…良い？」
「うん。やった、輝幸と一緒に過ごせるなんて夢みたい。」
「大袈裟…これからだって、何度だって、Aと一緒過ごすことがあるんだから。」
「そうだけど。嬉しいんだもん。」
だから、これくらいで満足すんなって。
こんなんじゃ足りない。俺は、もっと…
「A。約束する。
Aのことは、俺が誰よりもずっと幸せにする。一生。二人で、幸せになろう」
…あ、やばい。
自分で言っといてだけど、すんごい恥ずかしい。本音だけど。
「うん。でも何か、プロポーズみたいだね。」
「プロポーズじゃないけど…ま、いずれする。だから…、待ってて。」
「ふふっ、うん、大好き。」
今度はAから抱きついてきた。俺の彼女は可愛いな、と思いながら、そっと彼女の耳元でささやく。
「俺も。…愛してる。」
好きって言葉では足りない。愛って言葉が適切なのかどうかは分からないけれど、俺が誰よりもAのことを愛おしく思っているのは事実。
「ねぇ、輝幸。もう一回言って、さっきの。」
「ヤダ、もう言わない。」
恥ずかしいし。
それに、絶対にA、聞こえてたろ。
「もう一回輝幸の口から聞きたかったのに。」
「今はダメ。また後でな。」
愛してるなんて言葉、そんな簡単に、軽々しく言えるわけないだろ。そんな薄っぺらい言葉にはしたくない。
俺の、Aへの気持ちは…そんなもんじゃないのだから。
続く
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イルジオ(プロフ) - 読ませて頂きました！「イルジオの感想置き場」という小説に、感想を書かせて頂きました。見てくださると嬉しいです。それと、お気に入りと高評価をさせて頂きました！ (2020年6月22日 17時) (
レス) id: 40356dc556 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - あいく-Qさん» コメントありがとうございます…！これから学校の方が忙しくなってくるので、せめて週末にでも投稿出来たら良いなと思います…！ (2020年6月5日 15時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
あいく-Q - 続編おめでとうございます！これからも楽しみにしています♪ (2020年6月5日 11時) (レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aoi | 作成日時：2020年6月2日 21時
