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そして。
私は、ゆきくんの家の中にいた。
「…ごめん、片付いてなくて。とりあえずコーヒー入れたから、飲んで。」
「うん、ありがとう。」
コーヒーを一口飲むと、体が温まっていく、そんな感覚に陥った。でもやっぱりブラックコーヒーだから少し苦いな。
「A。あのさ…」
「な、何…？」
ゆきくんの真剣な瞳に気圧されて、思わず固くなる。
ゆきくんの言っていた、話というものか。
「どうムードを作れば良いか分からないから、単刀直入に言う。
…A、俺の彼女になってほしい。」
え？
今、なんて…いや、彼女になって、と私が望んでいた言葉が聞こえた。だけど、本当に…？
「あ、あの、本当に…？」
「俺が嘘苦手なの知らないのか？」
「知ってるけど、でも、信じられなくて。」
「じゃあ、もう一回言う。俺の彼女になって。」
…本当、なんだ。
そう自覚した瞬間に、嬉しさと愛おしさが胸の中に込み上げてきた。
その衝動のまま、私はゆきくんに抱きついた。
「うんっ…私も、ゆきくんの彼女になりたかったから…すごく嬉しい。」
「これくらいのことで満足するなよ。俺はもっとAのこと幸せにしたいから。」
「うん…でも、やっぱり嬉しい。大好き。」
大好きなんて言葉じゃ、もう足りないくらいにゆきくんのことが好きだ。言葉じゃ言い表せない想いを、行動で示すしかない。
「Aさーん…そんなことされたら、離したくなくなるんだけど？」
「離さないで…。ていうか、ゆきくんが『Aさん』って呼ぶの、久しぶりだね。」
「たしかに。Aに告白する前はずっとさん付けで呼んでたのにな。」
「ふふ。私はずっと呼び方変わらないけどね。」
昔からずっと、ゆきくんって呼んでたから。逆にいえば、今でもゆきくんと読んでいるのは、私ぐらいだ。
「Aも、いい加減、俺のことあだ名じゃなくて下の名前で呼びなよ。」
「む、無理っ」
自分でも、思わなくはないけれど。気恥しさと慣れなさで、ゆきくんのこと、輝幸と呼べそうにない。
「俺だけなんてズルい。…呼んでよ、下の名前で。」
頬に熱が集まっていくのが自分でも分かる。今絶対に顔が赤い。
でも、それでも、ゆきくんの少し熱っぽい瞳から目が逸らせない。
あぁもう、中高生でもないし、ましてや良い歳になってきてるのに、下の名前呼ぶくらいで照れるなんて…。
「てっ…輝幸、」
「うん、そっちのがいい。慣れないけど。でも、Aは俺の彼女なんだし…良いだろ？」
「うん。頑張る。」
「ははっ。…もう、俺の事ゆきくんって呼ぶのは禁止だからな？」
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イルジオ(プロフ) - 読ませて頂きました！「イルジオの感想置き場」という小説に、感想を書かせて頂きました。見てくださると嬉しいです。それと、お気に入りと高評価をさせて頂きました！ (2020年6月22日 17時) (
レス) id: 40356dc556 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - あいく-Qさん» コメントありがとうございます…！これから学校の方が忙しくなってくるので、せめて週末にでも投稿出来たら良いなと思います…！ (2020年6月5日 15時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
あいく-Q - 続編おめでとうございます！これからも楽しみにしています♪ (2020年6月5日 11時) (レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aoi | 作成日時：2020年6月2日 21時
