関係 ページ37
ゆきくんが連れてきてくれたお店は、シンプルな装飾が返って味を出している、古き良き和食屋さんという感じがした。
「おっ、輝幸、久しぶりだな。」
「そうですね。ここ最近は自炊するようにしてたので。」
「こんな可愛い子を連れてくるなんて中々やるなぁ。」
「手、出さないでくださいね。」
「それはどうかなぁ。お嬢ちゃん、輝幸じゃなくて俺にしとくかい？」
「いえ、遠慮しときます。」
冗談を笑いで交わしながら、チラリとゆきくんの方を見る。ここにはよく通っていたのだろうか、何となくリラックスしてるように見える。
「いつもの…二人分。」
「あいよー。」
「ゆきくん、いつも何頼んでたの？」
「秘密。でも、ここの店美味しいから。Aも気に入ると思う。」
「ふふ、楽しみ。」
何が出てくるんだろう？和食というからには煮魚とかかな。あるいは天ぷらとか？
「ちなみにここ、別に和食屋ってわけじゃないよ。」
「そうなんだ。なんか、雰囲気がそんな気がして。」
「それは分かるけど。バリバリ洋食だから。」
「そうなの？洋食なら、何だろうなぁ。」
ハンバーグとか？ドリアとか？グラタンとか？一括りに洋食って言ってもたくさんあるからなぁ。
なんて想像をめぐらせていると、店主さんが私達の目の前に料理を置いた。
「あっ、美味しそう…！」
「…。」
ハッとしてゆきくんの方を見ると、柔らかい微笑み。そして、優しい視線が私をとらえていた。うぅ…恥ずかしい。
「あの、そんなに見られてると恥ずかしいんだけど…」
「ん？無邪気なAも…いや、なんでもない。」
今度はゆきくんが恥ずかしそうに耳まで赤くしてそっぽを向く。
…あぁ、やっぱり、ゆきくんは変わらない。首元に手をやる癖が。
「ははは、輝幸は案外照れ屋だな。まぁ、美味しいから冷めないうちに食べて。」
「あ、はい。いただきます。」
「いただきます。久しぶりだな、これ。」
(美味し〜)
ゆきくんが通っていたというのも分かる気がする。これなら、毎日食べたとしても飽きない。
「そういや、輝幸が言ってた女の子は、この子か？」
「え？ゆきくん、私の話してたの？」
「…別にそんな、話してたわけじゃ…。あぁもう、本人の前で言わないでくださいよ。」
「ははは。いやぁ、意外だなぁ。好きな子の前だとそんな表情もするんだな。」
「…からかわないでください。」
ムッと唇を尖らせるゆきくん。そんな彼の様子に思わず笑ってしまう。
「A。笑ってんなよー…」
「わっ、ちょ、ボサボサになっちゃうでしょ。」
「Aが悪い。」
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イルジオ(プロフ) - 読ませて頂きました！「イルジオの感想置き場」という小説に、感想を書かせて頂きました。見てくださると嬉しいです。それと、お気に入りと高評価をさせて頂きました！ (2020年6月22日 17時) (
レス) id: 40356dc556 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - あいく-Qさん» コメントありがとうございます…！これから学校の方が忙しくなってくるので、せめて週末にでも投稿出来たら良いなと思います…！ (2020年6月5日 15時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
あいく-Q - 続編おめでとうございます！これからも楽しみにしています♪ (2020年6月5日 11時) (レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aoi | 作成日時：2020年6月2日 21時
