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「ねぇ、上川さんは知ってる？ゆきの癖。」
癖…そんなの、たくさんあるからな。
手を繋ぐときのこととか、口癖とかそういうものも。
「恥ずかしかったりとか、照れてる時はこうやって首元に触れるんだよねー。口も悪くなるし。」
知ってる。その事には結構前から気付いてた。
「…まぁ、とにかく。ゆきは絶対、私のところに戻ってくる。それだけ。」
ニヤリと笑った白石さんは、アールグレイティーを飲み干し、お財布と伝票を手に席を立つ。
「じゃあ、また…会った時に。しばらく会わないだろうけど。」
「うん、そうだね。」
というか、もう会いたくないし、ゆきくんにも会って欲しくない。
やっぱり、少しは不安なんだ。もしゆきくんが私じゃない人を好きになってしまったら、って。
「あ、ゆきからだー。」
「…」
「ふふ、ごめんね？」
わざとらしい…。
もう、やだな、こんな気持ちになるの。私も早く店を出よう…そう思って、席を立ってお店を出た。
「っ…雨、強すぎだよ。」
傘…持ってくの忘れちゃった。どうしよう、お母さんにむかえにきてもらう？
でも、今日は確か、両親共に遊びに行ってたはず。今帰ってきてたとしても、面倒くさい、で済まされる気がする。
「…ゆきくんも、今は白石さんと電話か何かしてるんだろうし。」
白石さんに宣戦布告のような言葉を言われたからか、大分自分の気持ちもハッキリしてきた。そういう意味では感謝かもしれない。
…会いたい。自分から一人になりたいと言ったのに、もう、ゆきくんに会いたい。
Aゆきくん、今大丈夫?
林大丈夫。何なら今、Aの近くにいるよ
え。近くに？
もしかして、と顔を上げる。
「Aがなかなか俺に甘えてくれないから。先に来ちゃった。」
傘を私の方に傾け、困ったように小さく微笑むゆきくん。
私たちの間には微妙な距離があるから、ゆきくんの肩は完全に雨に晒されている。
「ゆきくん、肩濡れてるよ。」
「うん。でも、Aの肩が濡れるよりマシでしょ。…もっとこっちに寄って。」
「うん。」
ゆきくんのさす傘の中に入る。必然的に、肩が触れ合うくらいの近さになった。
「親いるけど、俺ん家来る？…出来るだけ早く、話がしたい。」
「うん…。良いよ。」
「もう落ち着いた？」
「うん、本当にごめんね、さっきは…。ゆきくんが悪いわけじゃないのに。」
「いや…白石をあんなふうに期待させたのも、勘違いさせたのも多分俺なんだろうな。ヒロにそう言われた。
でも、ちゃんと…決着付けるから。それまで、待っててほしい。」
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イルジオ(プロフ) - 読ませて頂きました！「イルジオの感想置き場」という小説に、感想を書かせて頂きました。見てくださると嬉しいです。それと、お気に入りと高評価をさせて頂きました！ (2020年6月22日 17時) (
レス) id: 40356dc556 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - あいく-Qさん» コメントありがとうございます…！これから学校の方が忙しくなってくるので、せめて週末にでも投稿出来たら良いなと思います…！ (2020年6月5日 15時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
あいく-Q - 続編おめでとうございます！これからも楽しみにしています♪ (2020年6月5日 11時) (レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aoi | 作成日時：2020年6月2日 21時
