結婚式 ページ17
最近、ゆきくんの様子がおかしい。
何となく、目が合わないっていうか。声をかけても上の空って言うか…どうしたんだろう？
(…でも、今日こそは…東京じゃなくて地元だし、ゆきくんももしかしたら…戻ってるかな、いつものゆきくんに)
そう、今日は…朱音達の結婚式だ。当然、ゆきくんも私も招待されている。
このあと、ゆきくんが迎えに来てくれるんだけど、まだかな？と思っていたら、一台の車がとまった。
「お待たせ。はい。」
「うん。ありがとう、ゆきくん。」
「どうせ家近いし…A、車運転するの下手だから。」
「下手じゃないもん。」
「まぁ、良いけど。シートベルトはつけとけ。」
…ほら、何か素っ気ない気がするのは、私の気のせい？
こんな感じだったっけ…。
チラリとゆきくんの運転している、いつもより真面目な横顔を盗み見する。
やっぱりカッコイイ。スーツの効果もあるけど。
(私は、このドレス…似合ってるかな？)
ゆきくんは、今のところ、何も言ってくれてないけど。
「ちょっとコンビニ寄っていい？」
「あ、うん。私も…」
「その格好で？」
「…ごめん、なんでもない。」
「…A、あのさ、」
ゆきくんが何か言いかけたとき、信号が赤から青に変わった。ゆきくんは私から目を逸らし、またハンドルを操作する。
(…私、ゆきくんに何かしちゃったのかなぁ)
不安になる。でも、式場についたら、笑顔でいなきゃ…。
「ちょっと待ってて。」
「あ、うん。」
「すぐ戻る。」
ゆきくんは手短にそう言うと、コンビニの中に入っていく。
ゆきくんも、あの格好でコンビニに…って感じなんだけどな。いくらスーツとはいえ。ビジネス用スーツとは違うし…。
と、そんなことを思ってしまう。
はぁ、とため息をつくと、ゆきくんが戻ってきた。
「はい。」
「え？」
「多分俺のせいなんだろうけど、最近のA、元気なさそうだったから。」
「…そうかな。」
「うん。A、今日は俺のそばから離れるなよ。多分白石も招待されているから。」
(白石さんも…)
少し嫌だと思った。
「あ、あと。言うの忘れてたけど、そのドレス似合ってる。俺以外の男に見せたくないって思うくらい。」
「遅いよ…もっと早く言ってくれないと凹む。」
「ごめん。許して？」
ゆきくんが私の肩辺りに顔をうずめた。
何されるんだろう、と少し身構えていると、ピリッとした痛みが走った。
「っ、ゆきくん？」
「キスマーク。上手く出来て良かった。」
ちょっと満足気なゆきくん。
「それ、隠したらお仕置きね。」
ニヤ、とゆきくんは笑った。
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イルジオ(プロフ) - 読ませて頂きました！「イルジオの感想置き場」という小説に、感想を書かせて頂きました。見てくださると嬉しいです。それと、お気に入りと高評価をさせて頂きました！ (2020年6月22日 17時) (
レス) id: 40356dc556 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - あいく-Qさん» コメントありがとうございます…！これから学校の方が忙しくなってくるので、せめて週末にでも投稿出来たら良いなと思います…！ (2020年6月5日 15時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
あいく-Q - 続編おめでとうございます！これからも楽しみにしています♪ (2020年6月5日 11時) (レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aoi | 作成日時：2020年6月2日 21時
