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ゆきくんの言葉に一瞬だけ白石さんが悲しげな色を瞳に滲ませた。でもそれは本当に一瞬で、直ぐに戻っていた。
「ゆきがなんて言ったって、私達が付き合ってたのは事実でしょ？」
「チッ…もう良い、お前、一回こっち来い！ごめん、A、少し待ってて。」
「ちょっと、痛いんだけどっ！」
「知るか！お前が勝手なこと言わなければ良いんだよ。」
苛立たしげに白石さんの腕をつかんで強制連行するゆきくん。
だけど…会話から、仲、良かったんだろうなっていうのが伝わってきて、複雑だ。
ゆきくんは、私のなのに…って、私のでもないんだけど。
(彼女って肩書きだとしてもいいから、それがあったら…一人占めできたのかな)
ゆきくんのこと…誰にも渡したくない。あわよくば私だけのゆきくんになってほしい。
そして、もう一つは…白石さんの言うことが本当に嘘なのかどうかってことが気がかりだ。
別に、ゆきくんが他の人と付き合ってたとしても、それは昔の話だから、言ってくれて良いのに。
まぁ、そりゃあ、良い気分にはならないけどね。でも、嘘つかれるのは嫌だなぁ。
ゆきくん達が行った方向を見て、私は小さくため息をついた。
＿＿
side hys
「あのさ…マジで何なの？いつ、俺らが付き合ったんだよ。」
「私、ゆきのこと、どんな手使ってでも奪うから。だから早く、私の事好きになってくれないと、上川さんがどうなるかは分からないよ？」
「…いつからだよ。」
「何が？」
こんなこと、聞いていいのか分からないし、聞いたところで、何になるのかも分からない。だけど…。
「俺は、白石のことは普通に仲のいい友達と思ってた。でも、お前は違ったってことなんだよな…？いつから俺の事…」
「ずっと前から。上川さんよりも、ゆきのこと好きな自信あるから。」
「白石、頼むから…やめて。悪いけど、俺は、どんな手を使われても、A以外の女を好きになることはない。」
ただの友達同士だったら、こんなイザコザなかったのにな。何を間違ってしまったんだろうか、俺は。
それとも、アレか。よく聞く、男女の友情は成り立たないっていうやつか？
「本当に？」
「は？」
「これでも？」
気の所為かもしれない。だけど、少し泣いてるようにも見える表情で、俺を見上げた。
そこからが、あまりにも一瞬の出来事で。
理解するのに多少の時間を要した。
「白石、お前っ」
「良いじゃない。ゆきのファーストキスは私だったんだから。」
「…あんなの、事故だろ。とにかくこれ以上、Aに余計なことすんなよ。」
俺はそう言い、Aのところへ戻った。
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イルジオ(プロフ) - 読ませて頂きました！「イルジオの感想置き場」という小説に、感想を書かせて頂きました。見てくださると嬉しいです。それと、お気に入りと高評価をさせて頂きました！ (2020年6月22日 17時) (
レス) id: 40356dc556 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - あいく-Qさん» コメントありがとうございます…！これから学校の方が忙しくなってくるので、せめて週末にでも投稿出来たら良いなと思います…！ (2020年6月5日 15時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
あいく-Q - 続編おめでとうございます！これからも楽しみにしています♪ (2020年6月5日 11時) (レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aoi | 作成日時：2020年6月2日 21時
