episode 31 ページ33
食べさせてよ、って…さっきみたいに、アーンってやるってこと？
…恥ずいです。
「ダメかな。」
「あ…アーン…？」
「…うん、美味いね。」
「…なんか、急激に恥ずかしいです。」
「そう？…俺は、ちょっとドキッとしてる。」
全然そんなふうに見えない。何でそんなに表面上に出ないのか…恐ろしい。
「あれ？もしかして、拓司？」
「あぁ…久しぶり。でも今、彼女を口説き中だから。邪魔しないでね。」
い、伊沢さん…！！
何言ってくれてるんですか…。
「…へぇ。伊沢が…。それほどの子には見えないけど。」
(…失礼なこと言われてる。別に否定する気もないけど。)
でも、初対面なのにこんな物言いするものなのか？と少し、いや、かなりムッとしてしまう。
「…おい、その言葉…俺の前でもう一回言ってみろよ。」
「な、何だよ、俺は事実を…」
「まぁ、上川さんの良さは、俺だけが知ってればいい。お前の目が節穴なのは、昔からだからな。さっさと消え失せろ。」
言葉は静かだけど、伊沢さんの声には怒りが滲んでいる。こんな伊沢さん、初めて見た。
「んだよ、もう。」
チッ、と舌打ちして去っていく。
伊沢さんは、私の方を気遣わしげに見る。
「…ごめん、アイツが失礼なことを。」
「いえ。伊沢さんのせいじゃないですし、気にしてないです。」
「本当にごめんね。もう一口食べる？」
「…いただきまーす。」
美味しい。
単純な私は甘いものさえ食べれれば大抵の事は忘れて幸せになれる。
「美味しい？」
「もちろんです。でも少し溶けちゃいましたね。」
「うん。で、上川さんも…また敬語に戻ってるよ。」
「…諦めてください。タメは…無理です。」
「さっきまでタメなときもあったのにな。今は仕方ないか。」
少し寂しげに笑った伊沢さんは、残っていたかき氷を全て食べ終え、容器をゴミ箱に捨てる。
そして、私に手を差し伸べた。
「行こ。かき氷だけで満足したわけじゃないからね、俺は。」
「私も、もう少しなにか食べたいです。」
「食い物も良いけど、アレ、やろうよ。」
「金魚すくい…？伊沢さん、好きなんですか？」
「俺、上手いんだよ、金魚すくい。」
自分で言っちゃうんだ。
でも、伊沢さんって基本、どことなく謙遜してるイメージがあるから、それくらい上手ってことなのかも。
「じゃあ、お手並み拝見ですね。」
「フッ、望むところだよ。これで10匹くらい取れたら、俺の彼女になってよ。」
「…え。」
それはちょっと…と言い淀む。ハッキリ言ってしまうのは、何だか躊躇われた。
「…俺じゃダメか？」
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あいく-Q - 更新量が凄い…！続きを見られて嬉しいですが、あまり無理をしないでください！>_< あと、番外編の鶴skさんがめっちゃくちゃ好きです(実は最推しなんです…)。 (2020年5月31日 14時) (
レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - 水渚桃華さん» いえいえ(-´∀`-)こちらこそ、読んでくれてありがとうございます(*^^*) (2020年5月26日 8時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
水渚桃華 - 読ませていただきました！ドキドキして、面白かったです！これから２人は、どうなるか、楽しみです。更新頑張ってくださいね！イベント参加有難うございます。 (2020年5月25日 21時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - あいく-Qさん» コメントありがとうございます(*^^*)更新頻度は遅くなったり早くなったりすると思いますが…最後まで読んでいただけたら嬉しいです！ (2020年5月25日 21時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
あいく-Q - コメント失礼します。推しのジャスさんがメイン…という事で来ました！クールなジャスさんもまた良き…！今後の展開が楽しみです！更新、楽しみにしています！ (2020年5月25日 12時) (レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aoi | 作成日時：2020年5月24日 21時
