episode 16 ページ17
「…どういうつもりですか？福良さん。」
「ん？…いや、あそこまで彼が鈍感だとは思わなかった。計算外だな、クソ。」
「…出たよ、福良さんの策士っぷり。上川さん、気を付けてね。あの人の笑顔ほど怖いものは無いから。」
「聞こえてるよ、鶴崎。」
「事実ですから、聞かれても。」
(…ゆきくん…)
やっぱり、あの時、抱きついてでも引き止めるべきだったかもしれない。
「また計算し直しか…ったく、手間掛けさせやがって。」
「福良さんが余計なことしない方が良いんじゃないんすか？」
「いや、もう完全に思い込んじゃってるし、あとは煽りまくるしかないでしょ。こうなったら…キスのフリでもして、してるように見せかける？」
煽りまくるって…何か、すんごく不安になってきた。キスのフリとかも、今はもう笑えない。
「…私、ちょっと風に当たってきます。」
「…あぁ、うん。色々とごめんね、上川さん。」
福良さんの声と、心配そうな鶴崎さんの視線を背に、私は特にどこに行きたいとか目的地もなく、歩き出した。
でも、どこにいても、周りはみんな楽しそうで、こんな沈んだ気持ちでいる自分はすごく浮いてる気がする。
(…帰ろう)
帰るとしたら、伊沢さんには一言くらい言った方がいいかな。さっきのこともあるし。
でも、一人でいたいな…今は。
伊沢さんの連絡先は知らないから、一言言うにしてもわざわざ探しに行かなきゃいけくかなる。
そんなことを悶々と考えていると、足音が近付いてきた。
こんなところを通る人がいるんだ…。
「あ、上川さん、いたいた。」
「伊沢さん…？」
「うん。ちょっと来てくれるかな。ジャスコの勘違いの度が誰かさんのせいでガチで酷いから、ちゃんと話してきな。」
「伊沢まで酷いなぁ。僕は、「あー、はいはい。事実でしょ？ジャスコにはお前の策士っぷりは逆効果なんだよ。」
この二人、笑顔だけど…その裏怖そう。
敵に回さないようにしなきゃ…。
「ごめんね、上川さん。本当に。…そんな、泣くほど彼が好きだったなら、一種の作戦でも僕が上川さんと付き合ってるとか、言うべきじゃなかった。」
「いえ…」
というか、泣いてたのか…気付かなかった。
今、酷い顔してるんだろうな。
「行こっか、上川さん。ついでにね、福良もジャスコに話したいことあるらしいし。」
「そう。QuizKnockに入んないかって。上川さんも彼と一緒にどう？」
「私がですか？何の知識も無いですよ。」
クイズとかしたことないしなぁ。
それに、ゆきくんが東大王としてテレビに出始めてからだもん、クイズに何となく興味持ったの。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 92人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいく-Q - 更新量が凄い…！続きを見られて嬉しいですが、あまり無理をしないでください！>_< あと、番外編の鶴skさんがめっちゃくちゃ好きです(実は最推しなんです…)。 (2020年5月31日 14時) (
レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - 水渚桃華さん» いえいえ(-´∀`-)こちらこそ、読んでくれてありがとうございます(*^^*) (2020年5月26日 8時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
水渚桃華 - 読ませていただきました！ドキドキして、面白かったです！これから２人は、どうなるか、楽しみです。更新頑張ってくださいね！イベント参加有難うございます。 (2020年5月25日 21時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
Aoi(プロフ) - あいく-Qさん» コメントありがとうございます(*^^*)更新頻度は遅くなったり早くなったりすると思いますが…最後まで読んでいただけたら嬉しいです！ (2020年5月25日 21時) (レス) id: 1af304484f (このIDを非表示/違反報告)
あいく-Q - コメント失礼します。推しのジャスさんがメイン…という事で来ました！クールなジャスさんもまた良き…！今後の展開が楽しみです！更新、楽しみにしています！ (2020年5月25日 12時) (レス) id: a3a0d25048 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Aoi | 作成日時：2020年5月24日 21時
