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第3話 ページ9

朝、気球ゴンドラからこっそり出てくる二人の影。

セトとAだ。


「うっし!行くか!「どこに行くって言うんだい?」えっ?!」


Aを睨みつける。


「A、セトならまだしもなんでお前も行こうとする?」

「母さんが心配するのはわかるよ!けど…私は兄さんと“ラディアン”を探したい!危険なのもわかってる。それに…自分の身は自分で守る!大丈夫だから!」

「はぁ…揃いも揃って‥」


ため息をつく母さん。


「…本当に行くつもりだね?」


私達を咎めているように聞こえなかった。


「安心しな。止めやしない。セト、Aを頼んだよ。だけど手掛かりも無しにお前達はどうするつもりだい?」


あてもなく行ってしまっても結局は意味がない。


「それと渡すものがある」


私達に差し出したのは、大きなバッグが二つくくりつけられた魔法の箒だった。


「魔法使いの必需品が入っている」

「アルマの箒じゃないか!いいのか?」


ふんと母さんが言う。


餞別(せんべつ)だよ。一端の魔法使いを気取るのに自前の箒も無しじゃぁカッコがつかないだろ。それから_」


兄さんに渡されたものは、母さんが昨日丁寧に縫っていた手袋だ。


「セト、A、一つ約束しな。バケモノになるんじゃないよ」

「ならないさ!オレがなるのは世界一の大魔法使いなんだから!」

「絶対にならない!もう誰も傷つけたくないから!」

「そうかい。それなら良いさ」


私達は行こうとした時、止められた。


「で、あんた達は一体どこを目指すつもりだったんだい?」

「あ…」

「目的地も分からず、どこへ行くつもりだったんだか…。あのね、あんた達が目指すのは、“アルテミス”って言う街さ」


母さん曰くアルテミスは世界中から魔法使いが集まる研究都市だとか。

私達はそこで“ヤガ”という人物を探せと言われた。


「あたしが知る限りそいつは最強の魔法使いの一人だよ」

「最強の魔法使い?!」

「ヤガなら何か手掛かりを知ってるかもしれない。それと…アルテミスでは、“黄色い猫”にだけは気をつけるんだよ?」

「“黄色い猫”?」

「なんだかよくわからないけど、気をつける!」


そして、行こうとしたらセト兄さんが母さんの所に戻って


「アルマ…ありがとう」


私も耐えきれなくって同じ事をした。


「二人とも、身体に気をつけるんだよ」

「行ってきます!母さん!」

「ああ。さっさと行っちまいな!」


母さんを背にし、私達は大空へと飛んだ。

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アルメ - え、最高 (2021年12月29日 0時) (レス) @page15 id: fe853d552b (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 夜雨ナナトさん» ありがとうございます! (2020年2月7日 21時) (レス) id: 76411a5226 (このIDを非表示/違反報告)
夜雨ナナト - 八月葉月さん» ラディアンと文スト大好きなので嬉しいです!更新気長に待ってます。 (2020年2月7日 21時) (レス) id: 2e33344876 (このIDを非表示/違反報告)
八月葉月(プロフ) - ちょこれーとさん» ありがとうございます! (2019年11月5日 20時) (レス) id: c131e88534 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 面白いです!! ラディアン2期始まりましたよね!?これからも頑張って下さい!! (2019年11月3日 15時) (レス) id: adc186f0a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:八月葉月 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2019年2月25日 8時

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