おとうとでし【不死川実弥】 (ページ4)

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「Aちゃん、遠いのにわざわざ来てくれてありがとねぇ」

『いえ、お義母さんとお義父さんにはお世話になったので...』

カナエのおかげで少しずつ元の生活のを送れるようになった私は匡近の実家に来ていた

「⋯あの子がAちゃんを婚約者として連れてきてもう1年かしら？」

『ですね..』

“A！今度Aのこと母さん達に紹介したいんだ。”

〝しょ、紹介？！〟

“ああ。その...婚約者として”

照れくさそうに、けどいつもの優しい笑顔で言ってくれた匡近を思い出す

「弟を目の前で殺されたあの子は自分のことずっと、責めてたの。だけど鬼殺隊に入って少し経った時に帰ってきたと思ったら以前の匡近に戻ってたわ。理由を聞いたらあなたに出会えたからと言っていたわ」

あの子を救ってくれてありがとう、と続ける義母の言葉に涙が止まらなくなった

『少しでも匡近さんの力になれてたって言うだけで救われた気がします...』

「ええ、優しいあなたのことだから匡近を助けることができなかった自分を責めているんじゃないかと思ってね」

『！！』

鍛錬を重ねてやっとの思いで柱になれたのに、結局1番生きていてもらいたい人を助けることはできなかった

「やっぱり、あなたは心の優しい方ね」

『そんなことないです...けど私は匡近さんがいない世界でも最後まで生き抜きます。鬼を滅ぼすまでは匡近さんにも顔向けできませんから』

あまりにも早く向こうに行ったら怒られてしまうしね。

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『それじゃあ、この後夜間警備があるので失礼しますね』

「柱は大変なのねぇ...困ったことがあったらいつでもくるのよ」

『！！ありがとうございます』

今度また匡近の墓参りに来ます、と告げて月柱邸に向かった

...言っていた通り、ご両親すごく優しいね、匡近

匡近のことたくさん話せて楽しかったよ