検索窓
今日:27 hit、昨日:17 hit、合計:32,969 hit

White Angel -takuya.N- ページ8

切ないXmas

ーーー


真面目で几帳面で優しくて、
女心が分からない鈍感な人。


初めて出会った時でさえ、
卓くんにだけは飾らず全てを話せたの。
今になっても1年前と2人とも変わらないけど、
何かを隠している時は無口になって、
目を見られない卓くんだから直ぐに分かった。
卓くんの胸に忘れられない人がいることを。



『卓くん、明日クリスマスだね?
何か予定でもある?』


「なかねぇ。」

『やっぱり。』

「うるさい。笑」

『じゃあ、仕方がないから、
私が一緒に過ごしてあげる。
クリスマスに一人ぼっちって寂しいでしょ?』


「とか言うてAが寂しかやろ?笑」



ブー。
寂しいからじゃないよ?
特別な日に特別な人と過ごしたいだけ。


♪♪♪〜



「A?」

『どうしたの?』

「クリスマスさ、」

『うん。笑』

「一緒に過ごせん。」

『何で?』

「んー、と、
隠しとった訳やなかやけど、彼女がさ?
クリスマス一緒に過ごさんか?って言うてきて…その…」




彼女=卓くんの忘れられない人。


何となく分かってた。
こうなる事。女の勘。


彼女が卓くんを見る瞳が、
私と同じ瞳をしていたから…



『良かったじゃん。
これで、卓くんHappyなクリスマスになるね?
妹役としては安心したよ。笑』


「ごめんな。」

『何よ、謝んないでよ。笑』



"ごめん"なんていらないんだよ。

いらないんだよ…




沈黙さえ続かなければ二人の間に愛があると思っていたの。
恥ずかしい程、バカげてるでしょ?
妹役を買ってでも卓くんの特別になりたかった。


今日も卓くんからの電話越しの声。




「Xmas present何がよかと思う?
Aなら何が欲しか?」





私の欲しい物は、

きっと、ずっと、

卓くんには分からないよ。




「女心は難しかね?
Aみたいに楽に話せんや。笑」



『卓くんが選んだ物なら、
何でも嬉しいと思うよ?
私ならその気持ちがきっと嬉しい。』




涙声に気付かない卓くんは、
"そっか"と電話越しでおどけて笑う。




『卓くん?』

「ん?」

『Merry Christmas』

「まだ、早かばい。笑」




分かってる。



でも、彼女よりも先に、
卓くんに言いたかったの。








これぐらい、いいよね?

White Angel -haruki.N-→←White Angel -hayato.S-



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
設定タグ:西川遥輝 , 中島卓也 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:haru | 作成日時:2020年12月22日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。