White Angel -tetsuto.Y- ページ6
聖なる鐘が鳴る度、
あなたを思い出すよ。
ーーー
賑わう街、私は仲間外れ。
贈り物抱えた人達が行き交う。
キャロル歌う子供達さえ憎らしく思えて、
きつく目を閉じた。
そんな私も去年の今頃は、
二人でキャンドルライトに、
変わらぬ気持ちを誓って哲人とキスしてた。
聖なるあの日の夜、雪に埋もれて消えた。
それなのに今年も鐘は鳴るのね?
世界中にきっと私みたいに、
一人で寂しい気持ちを過ごしてる人たくさんいるよね?
些細な喧嘩の延長線から、
サヨナラを告げてしまったのは私の方。
なのに、この時期になると胸が痛む。
勝手だな。
クリスマスに二人で見たイルミネーションが、
鮮やか過ぎてどんな人と見に行っても、
心が動かない。
別れてから気付いた、やっぱり私には哲人しかいない。
ねぇ?哲人。
昨日、雑誌の星占いを見てたらね?
"クリスマスの日は運命の人と出会える予感"
だって。
占いなんて、これぽっちも信じちゃいないけど、
今の私はそれにすがるしかないの。
冬の天気予報みたいにあてにはならないけど、
今だけは信じてみたい。
サンタクロースは、
女の子の数だけいるはずなのに、
クリスマスを一人で迎えるなんて、
あまりにも寂しい…
12月24日 24時
静まり返った部屋中に着信が鳴り響く。
『も、もしもし?』
「天皇さんの誕生日終わりやな?笑」
『え?』
「…なんて、嘘。」
『…何が?』
「ホンマは一番にAに、
Merry Christmasって言いたくて掛けた。
携番変わってへんかって良かった…」
『変えてへんよ。
…もしかしたら、哲人から着信が、
鳴るかもしれへんと思って変えれへんかった。』
信じてなかった星占いも、
少しだけ信じられた夜。
サンタさんからの最高の
presentが届いた聖なる夜。
「A、俺らやり直さん?」
でも、やっぱりサンタクロースは、
女の子の数だけいると思う。
♡Merry Christmas♡
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作者名:haru | 作成日時:2020年12月22日 0時