GOLD -hayato.S- ページ33
今も俺を愛してますか?
ーーー
2人の時間がようやく増えていくと、
何故かお互いの気持ちがズレていく。
特別、危ない気配もないけど、その変わりめくるめく
絶頂感もない。
また今日もAに優しく出来んかった。
人前で手を繋ぐ事も、抱き合う事も、照れくさいし、
柄でもない。
そんな俺をAは呆れてる？
それとも諦めてる？
なんて、少しの後悔をしながら夜明けを待つ。
一緒にいられる事だけ望んでいたのに、
満たされる程にちょっとした恥じらいも消えていく。
人混みをなるべく避けて、サングラスとマスク姿の、
なんちゃって変装な俺。
そんな俺を他所にスマホ片手に駅前で佇むAの姿が見えた。
なぁ、A？
俺を待つトキメキ今もまだある？
雨上がりの午後、水溜まりに反射した七つの色は輝いていて、
Aを照らすよ。
「A？」
『あ、お疲れ。笑』
休みの日でも、何でもない日でも、
こうやって俺に会うと決まって言う君の口癖。
「疲れてへんし。笑」
"そっか"と優しく俺に微笑むこの笑顔が、
いつも俺を癒してくれる。
Aの真ん丸な目が俺を覗き込むから、
つい空を見上げる振りをして逸らしてしまう。
俺の一番弱いとこ。
「あー、何か食いに行く？」
一瞬見下ろして、Aを見ると、磁石の様に重なる瞳が熱い。
…何か俺、片想いしてるみたい。
『うん。どこに行く？』
俺の3歩後ろに下がって歩くAに振り返り、
手を引っ張って歩き出す俺を、驚いた顔を隠せずにいるA。
ぎこちない俺が可笑しいのか、声を出してAは笑う。
「笑うなや。笑」
『ごめん。笑』
「あー、めっちゃ恥ずかしいんやけど、」
『あはは。勇人のキャラちゃうな？笑』
「お前の中の俺って、どんなキャラなん？笑」
『意外と真面目？照れ屋？あと、んー、』
「悩むな、悩むな。笑」
『あとは、何やろうなぁ？
あ、意外と一途で、ヤキモチ妬きで、根は素直で、
涙脆くて、子供好き！』
「あはは。俺えぇ奴やん。笑」
『けど、頑固で、負けず嫌いで、女々しくて、アホで、
調子乗りで、「おい！途中から悪口に変わっとるやん！笑」』
『バレたか。笑
あとは、ムカつくぐらい、…強引さがない人！』
「は？」
『でも、今日は合格！笑』
繋がった手を高く上げて笑う君。
しゃーないし今日は言ったろ、
「好きやで。」
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作者名：haru | 作成日時：2020年12月22日 0時
