teddy bear (ページ30)

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weed ③ ページ30

私を変えるのは、
あなたなの?

ーーー

どこ？来てないじゃない。
どこよ、

"遥輝ー！ラストー！"

声のする方へ向けば、
今さっきまで着飾ってた服ではなく、
ユニホーム姿の彼がネット越しに見えた。

バッティング練習をしてるのか、バットを振り、
チームメイト達とはしゃぎ合ってる彼に気付かれた。

「あ!ホンマに来た!笑」

『"来い"って言ったのはあんたでしょ?』

「お前ってホンマ…、根性座ってるわ。笑

フツー、来ーへんやろ?笑」

『…帰る。』

「見て行けや、最後まで。」

『…野球やってんだ?』

「まぁな、こう見えて俺、プロ野球選手やから。笑」

『ホストだと思ってた…』

「あー、あそこ歩くとよく間違えられる。笑」

『けど、野球してる姿見たら、
野球好きの少年にも見えた。
野球好きなのね?』

「死ぬ物狂いで上手くならなアカンねん。
そうなったら一番にお前に見せたるわ。笑」

彼に降り掛かってるプレッシャー、
私には分かんないけど、考えてるモノは一つで、
その一つの為に彼は疲れた体を引きずって、
それでも走り続けるんだ。

私に"見せたるわ"って言った野球を。

「これからお前どうすんの?」

『ちょっと前までいつ死んでもいいや、って、
ずっと思ってた。
邪魔者の私さえいなくなれば…、って、』

「…どうやって死ぬ気?」

「今は分かんない。
あんたが死ぬ物狂いで上手くなんなきゃいけないって、
言ってた姿を見届けてから考える。」

夜の街はキラキラ光ってる。
私の知らないいろんな人達の思いが落ちて、
キラキラ光ってる。