teddy bear (ページ29)

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weed ② ページ29

センスある服。
時々、汗の匂い。

ーーー

雑踏の中で何時間さまよってるんだろう？

今、目の前に映るアングル全てが汚れて見える。
客寄せの為に、寒空の下で、キラキラと彩られた薄手の、
派手なドレスに身を纏う彼女達は、
行き帰る男性に甘い声を次々に出してる。

"生きてく為には何だってするわ。"

そんな彼女の心の叫びまでもが聞こえてくる。

「お前さ?歩ける?」

『!?』

「今から3時間しかないか…、この道真っ直ぐ歩け。

そしたら、グラウンドが見える。

お前に俺のカッコイイとこ見したるわ。笑」

『グラウンドって、ちょっと待ってよ!
歩くって、何で?』

「来たくないんやったら来んな。」

『行かないわよ!』

いきなりまた現れたかと思えば、グラウンドって、
何考えてんのよ。

どんな風に知り合って、どんな風に結ばれて、
どんな風に気持ちが変わっていったのか、私は知らない。

2人共言った事がなかったから。

何で歩いてんだろう？
何であいつに従ってんだろう？
ボロボロの足を引きずって…

だけど、立ち止まったら、
涙が出そうになる。