恋雨 -haruki.N- ページ24
それは、
ポップコーンみたいに弾く雨。
ーーー
目が合うと嬉しくてドキドキするクセに、
思わず目を逸らしてしまう。
ほんの少し、手が触れただけで顔が赤くなっていくのに、
思わず何もなかったかのような態度をとってしまう。
"好きな人いる？"その言葉が聞きたいのにいつも聞けない。
だって私の名前じゃなかった時、
どんな顔したらいいのか分からないもの。
遥輝の予定が気になったオフの過ごし方。
今、何してるのかな？
ただ、一言。
"会いたい"という事が何故こんなにも難しいんやろう？
突然降り出した雨に濡れながら入ったスタバ、
遥輝と前に会った時、美味しそうに飲んでたカフェラテを、
真似て飲んでみた。
少し甘くて、少し苦い味。
人が少ない店内のカウンターで遥輝に似た人を見つけた。
ねぇ？突然私が『会いたい。』って言ったら、
君はどんな顔で答えるんだろう？
「A?」
名前を呼ばれて振り返れば、
遥輝に似た人だと思ってた人に急に呼ばれてビックリした。
『え?遥輝!?』
今、一番会いたい人。
「何でこっちにいんの!?」
『え?あー、出張で昨日からこっちに…』
「来てるんやったら連絡してこいよ!」
『いやぁ、忙しいかな?と思って、』
「忙しいとか、忙しくないとかは俺が決めるから。」
『って会って早々なんで怒られなアカンの?』
「別に怒ってへんやん。」
『怒ってるやん。』
「で、何してんの?誰か待ち?」
『んー、雨上がり待ち?笑 遥輝は?』
「まっ、俺もそんなとこ。笑」
雨に濡れた遥輝の前髪が何だか色っぽくて、
さらに胸の鼓動がうるさい。
「髪…」
『あー、濡れてんね。遥輝の髪。』
「じゃなくて、お前も。」
そう言って、彼が着ているニットの袖口で、
髪に落ちた雫を拭ってくれた。
『ありがとう。』，
「ん。」
雨は嫌いなのに今日は嫌いじゃない。
ぶっきら棒に呟いた彼が照れくさそうに笑ってくれたから。
今なら言えるかも。
想いの全てを。
『好きやで、遥輝。』
「いきなりやな。笑」
『あはは。嘘でしたー!笑』
「はぁ?」
『の、嘘。笑』
「フツーに言え。笑」
フツーに茶化さずに言えたらこんな苦労せんわい！
ありがとう -yu-ya.T-→←Without -tetsuto.Y-
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作者名：haru | 作成日時：2020年12月22日 0時
