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シンデレラ -takuya.N- ページ21

あと何回眠れば、
君に会える?

ーーー

会えない日は、音楽のボリュームを上げて、
卓也を想って浸っていよう。


自分と重なる歌詞に共感しながら、
"分かる!"なんて何度もリプレイ。


卓也に会える日は、言葉途切れた瞬間に、
卓也の横顔を見ていよう。




『卓也?』
「ん?」
『たーくーやー?』
「何?どげんしたと?笑」




甘えた声を出して何度も彼の名前を呼ぶと、
彼は優しい笑顔を向けてくれる。


その優しい顔が見たくて無駄に名前を連呼するんだ。

卓也。たくや。タクヤ。恋の呪文みたいに何度も。




『ねぇ、卓也?』
「何ね?笑」
『次はいつ会えるかな?』
「え?」




そりゃ、驚くか。
今、会ったばっかりなのに"またすぐに会いたい"だなんて、
変だよね?


でも、毎日とその先の未来が欲しい。




「今、会うたばっかりなんに次?笑」
『嘘。忘れて、笑』
「んー、次に会えるんな…」




そう考えながら、私の手を強く握ってくれた。
逞しくて暖かい大きな手。


魔法が解けるまであと数時間。
今日を過ぎれば卓也はまた私の前から姿を消す。


迎えに来てくれるその日まで私はシンデレラみたいに、
ただ、ただ待つの。
ガラスの靴を運んで来てくれるその日まで…


決まった時間に毎日、電話が鳴らなくたっていい。
ほんの小さな一言でも、卓也の声を聞こえたらと思う。


それは不安な夜が恋した証拠。


人に笑われたって本当の願いは一つだけ。
このままずっと彼から愛されていたい。


過去に終わっていった恋も、星屑のように散りばめられて、
卓也と夜空を見上げたい。


移ろいやすい世界でも、
変わらない何かを求められずにはいられない。
こうしてあなたのその存在を近くにずっと感じていたい。




「一緒に来る?」
『どこに?』
「北海道。俺ん家。」
『…ガラスの靴は?』
「え?」
『あー、ううん。笑』
「何それ。笑」




何、夢みたいに言ってんだろう私って。

シンデレラじゃないのに、




「ガラスん靴やなかばってん、こりゃ?笑」

『指輪?』

「今日、Aにただ、会いに来た訳やなかよ?」




"迎えに来た"




ずっと夢見ていたシンデレラストーリーが、





今夜"叶った"

仲間 -shingo.I-→←卒業 -hayato.S-



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設定タグ:西川遥輝 , 中島卓也 , 短編集
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作者名:haru | 作成日時:2020年12月22日 0時

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