卒業 -hayato.S- ページ20
この学び舎ではもう、
二度と会えないんだね。
ーーー
『私ずっと坂本先輩の事好きでした。』
勇気を出して、片想いをしていた先輩に想いを告げた。
先輩の制服には桜の付いた校章と、
見事に綺麗サッパリとなくなってる先輩の制服の第二ボタン。
モテる先輩だからしょうがないか。
移動教室。
廊下で先輩に会えば、目は逸らされるけど、
毎回不意打ちに頭をポンポンと優しく頭を叩いて、
すれ違って行く。
そんなとこに惚れちゃったんだ。
放課後、友達と隠れて見に行ったグラウンド。
今も先輩が使用していたボールが転がってる。
坂本先輩、あなたが使っていた机の落書きがそのまま、
残されています。
それを指でたどれば涙が溢れる。
ずっと毎日見ていたい。
あちこち破れかけているユニホーム姿に、先輩の学生服姿。
いろんな言葉を並べでみても結局、
先輩に伝えたい言葉は、ただ一つ。
"ありがとう"
2人それぞれ、別の道歩き出していくんやね。
『先輩プロに行くんですか?』
「まぁ、それが俺の夢やからな。笑」
『坂本勇人と言う名前が有名になるといいですね?』
「んー、まぁ、そうなればえぇけど。笑」
夢を語り出す先輩の瞳はいつも真剣で、
先輩と過ごした2年間にはいろんな物語がある。
学校までの通学路、坂道、教室、体育館、先輩、友達、
先輩が輝いていたグラウンド。
もうすぐしたら、先輩との学生生活が終わる。
「俺らが卒業したらまた新入生が入ってくるんやな。」
『その新入生が一日体験で学校に来た時に、
ナンパって言うの?にされちゃって、
名前を教えて下さいとか、しつこく聞かれて困った。笑』
「ふーん。そいつにもし会ったらぶっ飛ばすかも。」
絶対に?ホンマにぶっ飛ばしに来てね?
「あー、さっきの返事やけど俺の答えはYES。」
"ホラッやる。"
諦めていた先輩の第二ボタンは、
先輩の手から渡され今、それは私の手の平の中。
3月。
学生服の固まりはいつかバラけて、それぞれの道を歩く。
ねぇ?神様。一個だけやもん、
先輩に"幸せ"がいつまでも振り続けます様に…
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作者名:haru | 作成日時:2020年12月22日 0時