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直球ストレート -hayato.S- ページ16

俺を利用しろ、と
彼は真面目に真顔で、
私を見つめた。

ーーー

世間が忙しく賑わう中、
練習終わりに毎日私の仕事場まで来ては待ってる勇人。




『何でいつも私の帰りを待ってんの?』
「夜遅く帰る女をほっとけへんやろ?」
『って言いながら綺麗なお姉さんを追っかけてるんやろ?笑』



あのなぁー、



「ってかさ?いつ俺を好きになんの?」
『何それ。笑』

「真面目に答えろや。
俺は生半可な気持ちでお前を待ってる訳ちゃうし。」

『じゃあ、何で待ってんの?笑』
「お前を超える女が出てこーへんだけや!」



って、まぁえぇわ。




「とりあえず俺を利用しろ!」




『利用?』
「えぇように俺を使えってこと!」
『何で?』

「俺はここにいるから。
お前が振り向いた時、いつでも俺の胸に飛び込んでこれる様に、
ずっと傍にいたるから!」

『何でそこまで私なん?』
「分からん、俺にも。」




どうしてそんなに勇人は真っ直ぐなん?
で、何で私はそんなに勇人に背を向けるんやろう?


ただ、分かってる事は勇人の胸に飛び込めば、
きっと抱きしめて、離さないでいてくれる事。




『勇人さ、私の何がえぇの?』
「何って、顔?笑」
『…物好きやね。』
「自分で言うなや。笑 あ、乳デカイとこ!」
『…もういい。』



ふっ。



「全部。
その髪も、細い指も、甘ったるい声も、
顔に似合わへん気が強いとこも全部。
全部が愛しい。」




私の先を1歩歩きながら、時折歩くペースを遅らせながら、
何度も私に振り返る。


横に並んで歩く時になれば、やっぱり真面目な顔して、
真面目に一つ一つ話し出してく。




「他に聞きたい事は?俺の何知りたい?」)
『んー、』
「…ないんかい。笑」
『とりあえずお腹空いた。』
「じゃあ、飯食いに行こ。それから?」
『"何で待ってんの?"って聞いたけど明日も来て。』
「分かった。笑 それから?」




それから…




『勇人の彼女になってあげてもえぇで?笑』



ふっ。



「喜んで。笑」




今まで1度も絡むことがなかったお互いの手が、
今日しっかりと繋がった。




そんな夜が、




『あ、雪!見て、勇人!雪やで!』




特別な夜に変わる。

意地悪時々優しい彼 -tetsuto.Y-→←viva青春 -haruki.N-



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設定タグ:西川遥輝 , 中島卓也 , 短編集
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作者名:haru | 作成日時:2020年12月22日 0時

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