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矛盾 -shingo.I- ページ13

スキかも、
やっぱキライ、
嘘。ダイスキ。

ーーー

迷子の迷子の子猫ちゃんあなたのお名前は?


『通りすがりの野良猫。』


と舌を出す生意気な猫。


"ワタシニカカワラナイデ"


俺にそう吐き捨ててから、俺が近付くと離れて行くA。


けど、毎日校舎の屋上から俺を見つめるA。


変な奴。


"ミテルダケナラ、ワタシノジユウデショ?"


違った、可愛くない奴。



グラウンドでチームメイトと走る俺。
その光景を屋上で一人笑うA。



「お前も一緒に走る?

嫌なことも走るとスッキリすんで!」




俺の大きな叫び声は校舎にこだまして、
Aがいる屋上へと届く。



『別に嫌な事なんかない。』



また舌を出して屋上から立ち去るA。


ホンマに可愛くない奴。



「慎吾!またA?」
「あいつマジうざい。」
「って言いながらいつもAちゃん見てるやん。笑」
「たまたまや。」



冷やかしてくるチームメイトを突き放して、
球拾いをしてると不意にAが現れて、
ネットに俺が拾ったボールを投げつけた。



「は?」
『走るよりこっちの方がスッキリする。』



また舌を出しやがったけど、今度は無邪気に笑ってやがる。



「私に関わらないでって言ったん誰やった?」
『さぁ?』
「お前、矛盾ばっかで腹立つ。」
『ありがとう。』
「は?褒めてへんし。」
『腹立ってくれて。笑』
「?」
『人は興味ないもんに腹立てへんやろ?笑』



Aの後ろから夕日が少しずつ沈みかけてきてる。
その夕日に照らされて俺に笑いかける。



嫌いから始まる恋があるって事、

矛盾な態度程、恋にハマってる事、

後に2人は知る事になる。



「投げ方ヘタクソ。」
『そ?あんたの真似したつもりやねんけど。笑』
「ホンマお前ってムカつく。」
『あんたの真似出来ると思ったのになぁ。』
「はぁ?ってか無視すんなっ!」
『あんたのプレー見ててスカッとする。』
「それ、褒めてんの?」
『いつか日本の野球を驚かしてな?
あんたのプレーで。』

「うん、見とけよ。
その過程を屋上からじゃなくて近くで。」








茜色の夕日は日の丸に似てるね。

色 -yu-ya.T-→←またね -haruki.N-



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作者名:haru | 作成日時:2020年12月22日 0時

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