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またね -haruki.N- ページ12

とてもね、
とても幸せでした。

ーーー

「元気でな。」


今、長い夢がふと途切れた。


振り向きもせず、私に背を向けて歩き出して行く遥輝の、
後ろ姿をただ、ただ見つめていると、手を伸ばせば、
手の平に舞い降りた白い雪が溶けて流れていく。


凍える街に吐息を吹きかけ、
白い粉雪が舞い散る空を見上げた。


最後、私に笑った遥輝の顔がきっと、
私の記憶の中の宝物になる。


どうして2人が別れの道を選んだのか、
今となればもう分かんない。
分かんないけど、確かな事は、
痛みに替えて手にした自由は悲しいって事。


記憶の箱に消したい過去はいっぱいあるけど、
ひた向きに生きた過ちは決して恥じたりしないよ。
遥輝を愛した事は私の誇りだから。


"強くなる"って、切ないけど、
強く生きていく為には強くならなくちゃいけない。
でないと人は簡単に崩れてしまうから。


流れる人の群れに少し遅れながら見慣れた街へと、
私も紛れて歩く。


さよなら、遥輝。


2人が決めた答えだから思い出抱きしめて心の瞳を閉じるね。





"遥輝ずっと一緒にいようね。"

"うん。ずっとな、笑"





あの日、遥輝と生きた季節が鮮やかに胸の奥で甦る。
さり気ない過去の2人の会話さえ今は懐かしい。


誰よりも1番近かった人が、
誰よりも1番遠い人になる。


どうか、


『遥輝も元気で…』

矛盾 -shingo.I-→←White Angel -shohei.O-



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作者名:haru | 作成日時:2020年12月22日 0時

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