レベルアップ ページ2
もともと仲良い友達、その一言では片付けられないくらい親密な関係だったと思う。
お互い時間のある日は特に何かを話す訳でもないけど、どちらかの家に集まっては同じ時間を過ごしてきた。
その時から私は純也くんの事が好きだったし、純也くんも私の事を好きだったと思う、お互い言葉にはしないけど凄く大切な存在だった。
そんな彼との関係が変わるきっかけになったものは、伊東純也 ゲンク(ベルギー1部)へ移籍、という記事だった。
勿論自分の事のように嬉しかったし、あまり何にも関心のない彼が、サッカーの話をしてくる時だけは目をキラキラ輝かせていたから、これからももっと応援しようと思った。
その一方で私の中で、ああ、離れちゃうな、やっぱり純也くんと私は違う世界にいる人だと思ってしまう自分に嫌気がさして、考えるのをやめた。
｢今から会える？｣
純也くんからのLINEに二つ返事で了承した。
ベルギーに行っちゃうなら、少しでもそれまでの時間を楽しもうと、急ぎ足でそう遠くない彼の家に向かった。
『おじゃましまーす』
いつも通りの寝癖で出迎えてくれた彼に、いつも通り挨拶をした。
『移籍決まったんだね、おめでとう』
この話をした時の純也くんは、凄く嬉しそうで、でもどこか複雑な顔をしていた。
いつもの事なのに、私は漫画を片手に、純也くんはゲーム機を片手に、特に中身のない話をダラダラ喋るこの時間がすごく幸せに感じた。
｢ベルギー、一緒に来てよ｣
突然のことに驚いて何も発せず、漫画に向けていた視線を隣の純也くんにうつした。
合うと思っていた視線は合わず、彼はゲームの手を止めていなかった。
画面に出てきたゲームオーバーの文字に、直ぐにリトライを押した純也くんを見て、気のせいか、とまで思ってしまった。
｢ねぇ、どうするの｣
2回目の問いかけに、気のせいじゃなかったと思いながも、純也くんのその言葉が冗談だった時、傷つくのだけは嫌だ、とそれってプロポーズ？と少し茶化しながら聞いた。
再び浮かび上がったゲームオーバーの文字。
｢そうだけど｣
私と彼の視線は確かに絡み合っていた。
続く
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aoiiii(プロフ) - すごくキュンキュンしちゃう小説でした！更新楽しみにしてます🫶🏻 (2022年12月11日 23時) (
レス) @page2 id: e810c896fd (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 伊東純也さんの小説を作っていただき、本当にありがとうございます！！ (2022年12月10日 19時) (レス) id: e756cf6e94 (このIDを非表示/違反報告)
いなずま(プロフ) - 若草 翠さん» 教えていただいてありがとうございます。 (2022年12月10日 11時) (レス) id: 183746e5fd (このIDを非表示/違反報告)
若草 翠(プロフ) - オリフラたってますよー (2022年12月10日 8時) (レス) @page1 id: 7302afd715 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いなずま | 作成日時：2022年12月10日 3時
