【短編集】巻島先輩と私 (ページ16)

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七夕の願い事 #1 ページ16

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___巻島side___

“ 浴衣着てきてね!! ”

朝Aから届いたメッセージ

今日は地元で毎年恒例の七夕祭り。

いつも遊びに行くときは家まで迎えに行くけど、今日は現地集合らしい。

Aによると、

“ 待ち合わせなんて久しぶりだからドキドキする! ”

って言ってた。可愛いやつショ。笑

待ち合わせ場所に着いて、約束の時間まであと10分ほど。

周りを見渡すけどまだAは来てないっぽい。

｢それにしても人多すぎっショ…｣

油断したら流されそうな人の多さ、

夏が近づいてきたことを知らせるような気温。

あいつ1人で来れるのか？なんて少し心配してしまう。

｢先輩！お待たせ！｣

しばらくして横から聞こえた声に振り返ると、

束ねられた長い髪の毛に

レトロな柄の浴衣に身を包んだ彼女。

いつもとは違うその姿が可愛くて

時が止まったみたいに目が離せなかった。

｢先輩？ごめんね、待った？｣

｢んあぁ、待ってないぜ｣

｢そ？最初にあそこの短冊書いてこよ！｣

ニコニコ笑うAに手を引かれて歩き出した。

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