42 戻れない�� ページ42
side 桃
ありえん。
ありえん。
上がった呼吸の中で、何度もそんな言葉を繰り返す。
どうかしとる。
自分でも驚いて、動揺した。
死んでも誰にも話せへんて決めてたこと、
あっさり、話してまった。
同時に後悔もした。
話すとき、あぁ、終わったな、て
せっかく少しだけ仲よくなれたと思っとったのに
もう終わりや、て覚悟して話し始めたはずやった。
こんなこと聞かされる流星の気持ちは、
考えてへんかった。
ほんまに自分勝手。
ほんまにごめん。
ほんまにおれなんか、
消えてなくなればええのに。
頑張ったなあ、やって。
どんだけええ人なんよ。
あんなこと、聞いても
俺が傷つかんように、そう言うてくれた。
俺が教室から出ても気付かん位
焦点合わん目しとった流星、
例え軽蔑されとったとしても、関係ない。
一緒に居って、おれの話を聞いてくれた。
怒ってくれた。
泣いてくれた。
充分や。
逃げるなって。
お前は悪くないって。
充分過ぎる。
それ以上、何を求めることがあるねん。
おれの話し方、拍子抜けする程自然に受け入れてくれた。
おれと一緒に、遠回りしてまで同じ帰り道を歩いてくれた。
おれの代わりに、知らんとこで戦ってくれとった。
お前はそのままでええよ、て言うてくれた言葉の通りに。
あのとき、流星まで汚れてまう気がして
気遣って差し伸べてくれた手、おれは振り払ってまったのに。
触れられたら、汚い自分が知られてしまいそうで嫌やった。
あのとき一瞬の内に無意識に
流星に、重ねてまった、
とうさんの、影
やのに、心は変に高揚していて、
とうさんとは、全然違う、
、
───これで、よかったんかもしれんな、
流星
ごめんな。
ありがとう。
お礼もろくに言えへんくせに、
死ぬまで誰にも、て思っとったのに、
「・・・なんで、かな・・
流星に、喋ってもうたよ」
雨が体を叩く
一人の帰り道。
知られたくない人。
大切な人。
─────よかった？
ほんまに？
「・・・なん、で
流星、っに」
よりによって、流星に話したの。
涙がこぼれる、
流星に喋ってもうた。
初めて一緒に歩いた帰り道。
もうあんな風におれは歩けへん
もう二度と。
────
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まいん(プロフ) - naさん» ありがとうございます。もう忘れ去られてると思ってるので嬉しいです。お時間割いて見ていただいてわざわざコメントまで、本当にありがとうございました。 (2020年5月18日 23時) (
レス) id: 715f3175ec (このIDを非表示/違反報告)
na - はじめまして。このお話が本当に面白くて絶対に完結させてほしいです。 (2020年5月2日 4時) (レス) id: 195cac4769 (このIDを非表示/違反報告)
まいん(プロフ) - ###さん» ありがとうごさいます。もう本当にそんな風に言っていただけて身に余る程幸せです。短編集も見ていただいて有り難いとしかいいようがありません。浮かれた勢いで調子乗って更新してしまったので、またお時間あるときにでも良ければ見てやってくださいね。 (2019年7月18日 8時) (レス) id: 16d7e0d9f4 (このIDを非表示/違反報告)
###(プロフ) - まいんさん» いえいえ、どの作品も本当に面白くて、私の目は間違ってなかったなと自分を誉めたいぐらいです(笑) 短編集のほうも時々覗いているので気が向けば更新してもらえると嬉しいな〜と思います(..) (2019年7月18日 2時) (レス) id: 643eb217bd (このIDを非表示/違反報告)
まいん(プロフ) - ###さん» ###さんいつもありがとうございます(;_;)色々考えながら読んでくださり、ありがとうございます。気になる展開と言ってくださり嬉しいです！ありがとうございます (2019年7月17日 21時) (レス) id: 16d7e0d9f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいん | 作成日時：2019年6月24日 23時
