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side 青
「小瀧、
・・・それ、
あの親父さんにされたんか」
「え・・・？
ど、どれ？」
意外と天然なんか？
思いながらも、すぐ隣の距離からこっちを見つめてくる小瀧に自分の頬を指してもう一度伝える。
「その痣、」
「えっ、ちゃ、ちゃうよ」
はっとした表情をしながら、前よりもよく合わせてくれるようになった目線が外されるのが、誤魔化されるように感じてもどかしい。
「・・・話したないってこと？俺には、」
「ちゃ、ちゃう。ほんまに・・・」
「話したないなら、」
いいわけ、ないねんけど。
小瀧は落ち着きなく体を揺らし、
少しの沈黙の後、口を開いた。
「・・・ちゃうねん
・・・・じ、ぶんでやったん」
吃音がちの小瀧の言葉が、それでも確実に俺の中に落ちる。
自分でやった？
「・・・・自分で？」
信じられないような気持ちと
小瀧の言うことなら何でも信じられるような気持ちの間、行ったり来たり。
「・・・自分で、て？
小瀧が、自分で、？」
行き違いのないよう慎重に反芻しても
返されるのは肯定の反応ばかりで。
「自分を・・・殴った？」
頷く小瀧に
俺の、小瀧を傷付けた奴を同じ目に遭わす、て気持ちの行き場がなくなった。
「何・・・で、そんなこと、すんの？」
ほんまに意味わからん事態に直面すると
人は笑ってまうらしい。
きっとそれ体現しとる今ならその気持ち、わかる。
理解が追い付かないでいる俺に小瀧は気まずそうに視線を下に落として。
小さな声で。
言葉を溢した。
「・・・・と、さんが、おれのこと綺麗、ていうの」
わからん。
意味が掴めへん。
小瀧は、わからんよな、っていうみたいに自虐的な目で見上げて、笑った。
何かを諦めるみたいに。
「・・・・何・・・？」
わからへん。
わかりたくない、だけかも。
「と、父さんが、おれのこと綺麗っていうのがい、いややってん」
心臓の音が耳に張り付く、
「・・・される、
恋人にするようなこと、・・・されとん、の」
嘘や。
重ね合わせられへん。
今、聞いた話と、
目の前にいる小瀧は。
「き・・・っれい、てほっぺた触られるんが、いややってん、
こんだけぐちゃぐちゃやったら、さ、触られへんかなって」
何も入って来ん。
何も。
「・・・流星
ごめん
、・・・おれ・・・・」
そんな顔させてごめん。
小瀧はそう言うた。
自分がどんな顔しとるか、
俺には分からへんかった。
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まいん(プロフ) - naさん» ありがとうございます。もう忘れ去られてると思ってるので嬉しいです。お時間割いて見ていただいてわざわざコメントまで、本当にありがとうございました。 (2020年5月18日 23時) (
レス) id: 715f3175ec (このIDを非表示/違反報告)
na - はじめまして。このお話が本当に面白くて絶対に完結させてほしいです。 (2020年5月2日 4時) (レス) id: 195cac4769 (このIDを非表示/違反報告)
まいん(プロフ) - ###さん» ありがとうごさいます。もう本当にそんな風に言っていただけて身に余る程幸せです。短編集も見ていただいて有り難いとしかいいようがありません。浮かれた勢いで調子乗って更新してしまったので、またお時間あるときにでも良ければ見てやってくださいね。 (2019年7月18日 8時) (レス) id: 16d7e0d9f4 (このIDを非表示/違反報告)
###(プロフ) - まいんさん» いえいえ、どの作品も本当に面白くて、私の目は間違ってなかったなと自分を誉めたいぐらいです(笑) 短編集のほうも時々覗いているので気が向けば更新してもらえると嬉しいな〜と思います(..) (2019年7月18日 2時) (レス) id: 643eb217bd (このIDを非表示/違反報告)
まいん(プロフ) - ###さん» ###さんいつもありがとうございます(;_;)色々考えながら読んでくださり、ありがとうございます。気になる展開と言ってくださり嬉しいです！ありがとうございます (2019年7月17日 21時) (レス) id: 16d7e0d9f4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まいん | 作成日時：2019年6月24日 23時
