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3 濱田先生 ページ3

side 桃




「・・・しつれい、します」


二階の職員室の中に入ると、すぐ左手の物置き棚に、貸し出し用のスリッパや傘などの備品がまとめておいてある。
借りるには誰かしら居合わせた教師に一声かければええだけ。
怖くて話かけられへん先生もおるけど、その時に目に入った先生は、学校きっての人気者やった。



「あ、あの・・・・・濱田、先生、」

「おう、小瀧。どうした」




授業中やろ、サボリか?と、くしゃりと目を細める笑顔が眩しい。



「えっと、・・・・っ、スリッパを・・」




貸してください、と俯いたまま口にすると、いつのまにかすぐそばに来ていた濱田先生が、俺の左側にあるスリッパの束から一組引き抜いて、「どうぞ」と足元に揃えてくれた。



「・・あっ・・、すみ、ませ、・・・」




女子にするみたいやんか、こんなん。




「小瀧」




しゃがんだ姿勢のまま、濱田先生が急に真顔になる。



「なんか困ったことあったらな、先生にすぐ言えよ、ええな。」






胸がきゅうっとなる。
見透かされているようなその表情は、苦手や。


そしてまた何事もなかったかのようにニコ、っと笑う濱田先生に、ぺこりと頭を下げて、職員室をあとにした。









二時限目が終わるまで図書室で時間を潰してから放課中の教室の扉を開けると、何となく自分に集中する視線が気まずかった。



そのどれもがここは自分の居場所やないと告げているようで、目線が泳ぐ。



学生カバンを肩にかけ直して机の間を縫うと、



「・・・・小瀧くん、おはよー!」



最近、暇を潰す相手として目をつけられてしまったらしいクラスメイトに、からかうように大きな声で挨拶するよう促されて、また、戸惑ってしまう。




「っ、ぉ、はよ・・・・」




小さい声でしか返せんくて、聞こえへんわ、と鼻で笑われた。



「・・・ごご、め、 ん、ね」



ごまかすように、下手くそな笑顔をつくる。
顔が熱い。





チャイムが鳴り終えたのになかなか授業を始めれんくて、
不愉快そうに年配の女の先生が、いいかげんに静かにしなさい、て言うてくれて
皆が黒板の方に向き直ったのにほっとしつつ、慌ててカバンから教科書を取り出した。








─────
体育の先生はまちゃん

4 小瀧何とか→←2 汚れる靴下



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まいん(プロフ) - naさん» ありがとうございます。もう忘れ去られてると思ってるので嬉しいです。お時間割いて見ていただいてわざわざコメントまで、本当にありがとうございました。 (2020年5月18日 23時) (レス) id: 715f3175ec (このIDを非表示/違反報告)
na - はじめまして。このお話が本当に面白くて絶対に完結させてほしいです。 (2020年5月2日 4時) (レス) id: 195cac4769 (このIDを非表示/違反報告)
まいん(プロフ) - ###さん» ありがとうごさいます。もう本当にそんな風に言っていただけて身に余る程幸せです。短編集も見ていただいて有り難いとしかいいようがありません。浮かれた勢いで調子乗って更新してしまったので、またお時間あるときにでも良ければ見てやってくださいね。 (2019年7月18日 8時) (レス) id: 16d7e0d9f4 (このIDを非表示/違反報告)
###(プロフ) - まいんさん» いえいえ、どの作品も本当に面白くて、私の目は間違ってなかったなと自分を誉めたいぐらいです(笑) 短編集のほうも時々覗いているので気が向けば更新してもらえると嬉しいな〜と思います(..) (2019年7月18日 2時) (レス) id: 643eb217bd (このIDを非表示/違反報告)
まいん(プロフ) - ###さん» ###さんいつもありがとうございます(;_;)色々考えながら読んでくださり、ありがとうございます。気になる展開と言ってくださり嬉しいです!ありがとうございます (2019年7月17日 21時) (レス) id: 16d7e0d9f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まいん | 作成日時:2019年6月24日 23時

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