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アーサーは牢獄にあった彼女の金の細工がされたティーカップを拾い
メモ用紙に
『お気に入り。大切なもの。彼女の物』等を綴った。
それを素早く食器棚に置き
その紙の上にティーカップを乗せる。
その他彼女が使ったであろう食器等を
集めてはメモ用紙を添え、メモ用紙を添え、を繰り返す。
「何してるんだいこんな時に!?」
「記憶の関連を残すんだよ。少しでも多く。お前も探せ!」
「そんな事言ったって、ここは俺ん家じゃないんだ、何が彼女の物か分からないよ!」
「じゃあアイツがお前にくれた物でも思い出してメモに書いとけ!」
「えぇ!?さっきの占い師のせいで頭痛いのにっ、思い出せる事って、、。」
焦りで文字が汚くなり、正直読めるか分からないが
殴り書きでも良い。
少しでも思い出すきっかけを増やすんだ。
歴史書が消えたからか
2人は既に彼女の名前を思い出せずにいるが
それでも今後思い出せるようにと手を尽くす。
「彼女が最後に焼いてたフルーツケーキが、、俺の家のどこかに、、ン〜ッ!!!」
「詳しく思い出せないなら そのケーキどっかに有るから食え、とか書いとけ!タイムカプセルだと思えばやりやすいだろ!後は歴史書っぽく書くとか!」
「わ、わかったって!えっと、、」
「後は占い師が歴史書をもやしたとか書いてだな___」
「うーんと、、俺の家にフルーツケーキが___」
歴史書代わりを作成していた時だった。
ドガガガガッと、遠くで爆発した音が響いた。
ガタガタと地響きがおき
花瓶がガチャリと1つ落ちた。
「アーサーさん、連絡です!海の方で噴火か爆発か何かが起きたみたいです」
「クソッ、また占い師がやったとかじゃあ無いだろうなっ!?」
外に居た兵士からの連絡を聞くなり
アーサーは基地から勢いよく飛び出して海を見た。
水平線の向こうで
太く長い龍のような煙が立ちあがるのが見えた。
アルフレッドもレンズ越しにその光景を目にした。
絶望的だった。
彼女の家の方角と距離。
幸い、あそこには人がもう住んでいない。
アーサーの国土に住民が引っ越しているからだ。
太陽は見えなかった。
舞い上がった砂が空を消していくのだ。
*
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なつ子第2号@(*´ω`*)(プロフ) - ルーミラさん» コメント&祝電ありがとうございます(´;ω;`) わああああ涙する小説書けて幸せです(><) いえいえ!こちらこそご愛読ありがとうございました!!! (2018年5月13日 22時) (レス) id: 512c53c1af (このIDを非表示/違反報告)
ルーミラ(プロフ) - 完結おめでとうございます!とても切なくて、集中して読んでいました!我慢していた涙が最後で出ちゃいましたw今回も素晴らしい作品をありがとうございました! (2018年5月13日 22時) (レス) id: d359785761 (このIDを非表示/違反報告)
なつ子(´∀`*)(プロフ) - 暴走少女@OIMさん» うわわわわああああコメントありがとうございます。゚(゚´Д`゚)゚。こんなにも更新遅くなってしまい申し訳ございません(泣)そしてこんな私の作品を読んで下さり、さらにコメントまで頂けるなんて幸せすぎます!! はい!テスト終わったら猛スピードで書きます(o^^o) (2018年2月5日 23時) (レス) id: 512c53c1af (このIDを非表示/違反報告)
暴走少女@OIM(プロフ) - 久しぶりの更新ご苦労様です!今日も楽しく読ませていただきました。これからも頑張って下さい!(^^*) (2018年2月4日 15時) (レス) id: c5b7e8e142 (このIDを非表示/違反報告)
なつ子(´∀`*)(プロフ) - 暴走少女@OIMさん» コメント、本当に本当にありがとうございますヽ(;▽;)ノ カナちゃんにキュンキュンできるように心がけたので嬉しいです!! (2017年9月8日 18時) (レス) id: 512c53c1af (このIDを非表示/違反報告)
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