【APH】愛しい君へ呪いを。【アーサー】

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アーサーはその場にひざまずくよりも先に


今すぐ向かわなくてはと足を動かした。


だめだ...急がないとだめだ。


はやく、早くAの元にいかなければ。



身支度もままならない状態で彼は自分の地から出発した。


彼女の元に行くには時間がかかるが


一刻も早くと燃料をフルで使い、最高速度で向かった。




アーサーの鼓動は早まり、呼吸も浅く、立ってはいられないくらいだ。


それだけ焦っていた。



「Aがいってしまう前に・・・。」




アルフレッドに続き、Aが去っていっては困る。


彼女を独占するべきだ。


自分の利益になる。


彼女がいるから生きていける。


絶対にはなしたくないし


手放す気はない。



焦りのせいか、めまいがしてきた。視界が激しくゆがむ。


船にゆられるとともに波もザブザブと音をたてる。



「はやく・・・はやくしろっ！もっと早く進め！」


「しかしアーサーさん、これ以上はやくしたら燃料がもちません！」



「燃料なんか後でAのところで補充すればすむ！今はとにかく時間が惜しいっ」



広い海に彼の声が響いては消える。


いらつきを抑えようと唇を強くかみしめた。



『アーサー・・・』



脳裏にAの声がこだまする。


どこかにいってしまうのではないか。逃げてしまうのではないか。


言い表せないほどの焦りと不安で


アーサーの涙だけが静かにほほをつたった。



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