episode2 ページ3
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「そうだ、お前に相談があるんだけど…」
「相談?何、彼女でもできたとか」
スマホで月の満ち欠けを調べていたらアーサーが立ち止まった。
逆光で表情は見えないが、腕を組んで悩んでいる様子だった。
少し躊躇いつつも、彼はこう言った。
「まぁ…そういう感じの話」
コイツの相談なんて大体こういう事だとは思ってた。
彼はモテる。
でも大して女慣れしてる訳じゃない。
優しいあまり、いつもから回ったり面倒な事になったりする。
女子の気持ちを教えてくれと、私に良く相談してくる。
今日もそういう感じの事らしい。
「まだ返事を返していないんだが、…」
「アーサーはその子のこと好きなの、好きじゃないの」
「恋愛的な目で見た事が無いというか…めちゃくちゃ良い奴なんだけどよ。真面目だし、仕事も率先してやってくれるし…」
「あー、あの子か。大体分かった」
「話が早くて助かる」
どうやら生徒会の子らしい。
私もその子と関わりが深い方だから、正直言うとかなり前から告白については知っていた。
一見内気な女の子に見えたけど、告白ができるくらいには度胸があるようだ。
羨ましいな。
私も言えれば良いのに。
言いたいけど、マジで脈を感じないコイツに言ってもどうせ結果は見えてる事だし。
一人で一方的に想ってるだけ。
想い続けたいと言う、私のわがまま。
「女子って、好きと思われてなくても付き合ってくれる方が嬉しいものか、それともいっその事キッパリと断って欲しいものか…どっちなんだ」
「女子にも個々の考えがあるからね。正直言うとあの子は分からないな。告白する度胸はあるけど、内気な性格といえばそうだから、言い方によってはショックで学校休むだろうね」
「そこなんだよなぁ」
「生徒会の仕事やりにくくなるもんね、気まずくて。」
「他の奴らに気を使わせるのも悪いしよ。どうすっかなぁ」
もしも私がその女子の立場なら、私は付き合ってくれると嬉しい。
嬉しいけど、申し訳ないかな。
本音はその子とは付き合わないで欲しい。
けどこれはアーサーが決めること。
私はどの選択がどんな結果になるかを推測して教えるだけ。
近くもなく、遠くもない私達のこの関係。
ずっとこれが続くのかな。
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なつ子(´∀`*)(プロフ) - ミルキーベイベさん» わあああコメントありがとうございます!!!(大号泣)とても久しぶりに書き出したので心配でしたが、めちゃくちゃ面白いと言っていただけるなんて…!本当に嬉しいです! 今後どうなるでしょうかね…(*´艸`) はい!はりきって更新します!!お楽しみに(^^*) (2020年5月29日 19時) (レス) id: 6d636b956f (このIDを非表示/違反報告)
ミルキーベイベ(プロフ) - めちゃめちゃ、面白いですね!!今後の展開が気になります!更新頑張ってください!応援してます! (2020年5月26日 18時) (レス) id: 4df99fbe25 (このIDを非表示/違反報告)
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