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振り向かせたい。9 ページ10

送ってく、と言って私をバイクの後ろに乗せ、三ツ谷はバイクを走らせる。


バイクを走らせてから今に至るまで、お互い無言である。

なんかちょっと気まずいなぁ、と思いながら三ツ谷に掴まっていた。



やっぱり、不機嫌なのは気のせいじゃなかったのかも。



そんなことを思いながら、過ぎ行く景色をぼーっと眺める。







_______________いやいや、なんでこんな空気になってるの?……嫉妬してようがしてなかろうが、この時間を楽しまないのはもったいない!




そうは思ったものの、何を話せばいいのか分からない。一人で悶々と考える。


____________え、どうしよう…なんて言えばいいの?早くしないと家に着いちゃう…!!



「…なぁ、ちょっと寄り道していかね?」



無言の時間を破ったのは、私ではなく三ツ谷だった。



しかも驚くことに、寄り道という名のデートのお誘いである。もちろん断る理由なんてない。



『行く!』


「っし、りょーかい」



無論私は即答した。


嬉しくて、心の中で喜びの舞を踊る。


今ならあのマイキーにでさえ、愛のパワーで勝てる気がする。勝てないけど。



私の家の方向に向かっていたバイクは、大通りの方に方向転換した。



街のキラキラした明かりがが目に眩しい。


そのまま三ツ谷は、近くの駐車場にバイクを停めた。

路上駐車しないところが三ツ谷らしい。



「どこか行きたい店ある?」


『んー、雑貨屋さんとか!…三ツ谷は?』


「俺が誘ったんだし、オマエが行きたいとこでいーよ」




にっと笑って三ツ谷が言った。その笑顔に、これまでにないくらい胸が高鳴る。




店の明かりに三ツ谷の銀髪がキラキラ輝く。




私の髪も三ツ谷みたいにキラキラしてるといいな、と思いながら夜の街へ入った。

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ベル - ストーリーが好みすぎて辛いですww海に行った時すごくキュンキュンしました!! (2022年3月5日 21時) (レス) @page41 id: 57e8e1c27e (このIDを非表示/違反報告)
泡瀬 るり(プロフ) - るいさん» 最後まで読んで頂き、ありがとうございました!!そう言っていただけて嬉しいです!! (2021年9月2日 7時) (レス) id: e8f1067ad3 (このIDを非表示/違反報告)
るい(プロフ) - 素敵すぎました…!きゅんきゅんしましたありがとうございます! (2021年9月1日 23時) (レス) id: 4cd171caaf (このIDを非表示/違反報告)
泡瀬 るり(プロフ) - 苺ミルク飴さん» そう言っていただけて嬉しいです!書いたかいがありました……!長文ありがとうございます!!他作品もどうぞよろしくお願いします! (2021年9月1日 7時) (レス) id: e8f1067ad3 (このIDを非表示/違反報告)
苺ミルク飴(プロフ) - 完結おめでとうございます!めっちゃドキドキしました…!特に最後の方の三ツ谷くんかっこよすぎてずっとにやけてました笑夢主ちゃんもすごく可愛くて、とても面白かったです!素敵な作品をありがとうございました!他の作品の更新等頑張ってください!応援してます! (2021年8月31日 23時) (レス) id: 976df8db05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:泡瀬 るり | 作成日時:2021年7月27日 23時

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