三ツ谷くんを振り向かせたい。【東京リベンジャーズ】

振り向かせたい。18 ページ19

『んー…やっと終わった』


そう呟いて、シャーペンを置く。

数学のワークの範囲が意外にも多くて先生を恨んだ。


頑張ったし少しくらい休憩しても良いよね、と思い｢ブルーベリーの恋｣の最新巻を手に取った。

ちなみに昨日発売されたばかりである。

千冬は今月お小遣いが厳しいらしく、｢読み終わったら絶対貸してくださいね！｣と言っていた。

かわいい後輩のためだ、もちろん貸しに行く。

しかも前巻は、めちゃくちゃいい所で終わった。


漫画家はこうやってわざといい所で終わらせて、次も買って貰えるようにしているのだろうか。



ぺら、とページを捲る。また捲る。


読み終わった頃には、30分が経っていた。早い方なのか遅い方なのか。



満足して漫画を机に置いた。いや、今回もいい所で終わるな…絶対次巻も買わないと。
めっちゃ面白かったから、早めに千冬に貸してあげよう。



その時、ぴんぽーん、と家のインターホンが鳴った。

今、母は留守なので私しか出る人はいない。

パタパタと早歩きし、玄関の鍵を開けた。



『えっ、マイキー？』


｢Aー、久しぶり｣


まさかの人物が目の前に立っていた。


にっと笑ってマイキーが私に手を振る。


反射的に手を振り返した。なぜ今、東卍の一大事の原因が私の家に来たのか。


先程までのエマとのメールのやり取りを思い出し、訝しげにマイキーを見るが、彼は何も言わない。



『どうしたの？』


｢オレ、今からタケミっちのお見舞い行くんだけど、Aも行かない？｣


『んー…行こっかな』


タケミっちが倒れたことは、さっき私もエマから聞いた。


私が行っていいものなのか、と考えたがやはりタケミっちの様子が心配なので着いていくことにした。



お見舞いって何持っていけばいいんだろう、と考えてとりあえず家にあったチョコレートを選ぶ。



大抵の人はチョコレートは好きだから、多分タケミっちも大丈夫だろう。


いかにも甘いものが好きそうな顔してるし。


そんなことを考えながら家の鍵を閉めた。



｢準備できたー？｣


『うん、待たせてごめん』



そう言ってマイキーとタケミっちの家に向かう。



日焼け止め塗ってきてよかった、と心の底から思った。めちゃくちゃ暑い。

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