辛いです、煉獄先生。【炎柱】

48 ページ49

Aside



「…いや、本当に大丈夫だ。心配をかけてしまって不甲斐ない！」




煉獄さんは申し訳なさそうに笑って謝った。





『いえいえ、大丈夫なら良いんです！』




本当に、大丈夫なら良いのですが…。

何か悩んでいる様子の煉獄さんを心配で見ていたら、突然話しかけられた。




「…駄目だ、やはり分からないな」

『…何かありましたか？』


「火宮、少しいいか」






私が問いかけると
先生は私の手を掴んで顔を覗いてきた。



『へっ…………？！』



「……うむ。やはり綺麗な紅色の目をしている。」

『な、なななななな、、なんですか？！突然！！！』



私は驚いて、掴まれた手を振り切り、力が抜けて床にしゃがみこんだ。



な、ななな何！！！
100年ほどお預けをくらっていた私には刺激が強すぎるぞ…！！！


ぼっと染った顔を背けると、
彼は両手で私の顔を正面に戻し、またもや目を合わせた。


「俺の顔を、よく見てほしい。
火宮、変なことを聞いてしまうが大丈夫だろうか」

『は、はい…！』


「昔、学校で出会うよりも前に

君と俺は、何処かで出逢ったことがないだろうか」


『…………!』









思い…出したのか…？







『ど、うしました？いきなり…


先生…やはりお疲れなの…では？』


「いや！疲れは夕飯をたらふく食べて沢山寝たからもう大丈夫だ！元気一杯だぞ！！」



少しの可能性にかけてみたが、
…本当に、思い出してしまったのだろうか…。

あの血腥い過去を…。






『そうですか！それは、良かったです…

ではそろそろ、二人を連れて来なければ』
「待ってくれ！！！」



その場から立ち去ろうとしたが、先生に腕も掴まれてしまって動けない。





「誤魔化さないでくれ！！！

父上も、千寿郎も、昔から俺には知らない何かを知っているようだった。
それに、ここ最近、定期的に俺が
ある少女の前で死ぬ夢を見るんだ…」

『…ッ！』



私は口を抑え、こみ上がる気持ちを飲み込む。
駄目だ。堪えなければ。肯定しているようなものだ。



「そして今、その少女の声や紅い瞳が君と重なることに気がついた。竈門少年達も、千寿郎も、君の話が出た時に泣いていた。

やはり、これは俺の勘違いではないと思う。

皆は、俺が知らない何かを知っている。そしてその鍵を握るのは恐らく君だ。









火宮、教えてくれ。全て。

俺は、1人だけ秘密が分からず、皆に取り残されているようで、寂しいんだ_____。」

続→←47

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す