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千寿郎side
(貴方が貴方の気待ちに気づいていなかったのか、
はたまた貴方自身がAさんにあえて気持ちを伝えなかったのか、俺には分かりません…)
…でも
今、彼女は、
�猯�獄杏寿郎になろう�瓩班�死ですよ。
どんなに頑張ったって、世界中の誰だって
貴方になれるはずなんか無いのに。
苦痛を飲み込み、自分を騙し、
彼女は、煉獄杏寿郎になろうとしています。
…もし、彼女の行く末を想い、貴方が気持ちを伝えない道を選んだのなら、
それはもしかしたら、もしかしたら、
間違った道だったのかもしれません。
もし貴方が気持ちを伝えていたなら、
彼女と貴方が夫婦になっていたのなら
彼女は今、貴方に見合う‘妻‘になろうとしていたかもしれません。
煉獄杏寿郎を継ぐという重圧が、少しは和らいだのかもしれません。
(_____今更そんなことを考えたって、意味は無いけれど。)
冷めないうちに料理を運ばなくてはと思い直し、おぼんに手をかけたとき、
後ろの方から微かに襖が開く音がした。
___Aさんの目が覚めたのか…？
いけない、まだ病み上がりなのに。
今彼女を自由にしたら、また、無理をしようとしてしまう。
急いで部屋から出ると、薄暗い夜の中で
ひっそりと泣く彼女がいた。
『…貴方の代わりに、私が死ねば良かったのに』
そう呟き、泣き崩れる彼女を支えると、
彼女の瞳の中で今にも零れ落ちそうな涙が淡く輝いていた。
『うっ…ううっ…』
千「お願いだから、そんな悲しいこと、言わないでください…。」
Aさんが死にたいと思っているなんて
兄が知ったら、どうなってしまうのだろう。
普段、勇ましく戦う彼女からは伝わらない
ほっそりとした、小柄な身体。
俺はこんな彼女を護るどころか、護られている。
…不甲斐ないです。貴女に全てを背負わせてしまって。
初めて見た涙を流す彼女を抱き締めることしか出来ない自分が悔しくて、哀しくて、
俺は、自分自身の頬を思い切り殴りたくなった。
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コメントもいつも楽しみに読ませていただいております。是非今後とも、お自愛ください。
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ひなた(プロフ) - コメント失礼します。語彙力がすごい上にとても話が面白いのでこの作品推しますよ！この作品大好きです。 (2023年1月10日 15時) (
レス) @page9 id: 766649bc8e (このIDを非表示/違反報告)
靈菜(プロフ) - コメント失礼します！ほぼ毎日読ませて頂いてます!話の構成がとても上手ですごく憧れてます！どのような感じで考えているのか、良ければぜひ教えて下さい！ (2021年10月2日 22時) (レス) @page2 id: b6a4af0785 (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - ひかるさん» 合掌…!!?こちらこそ朝早く読んでくださって本当に嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年11月29日 8時) (レス) id: 55e2874e26 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 朝から震えが止まりません・・・！更新ありがとうございます！（合掌） (2020年11月29日 8時) (レス) id: e49f586e8e (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - ゆず＠yuzuさん» そんな、感情移入してくださっていたなんて…光栄です…(泣)はい！更新頑張らせていただきます！これからもぜひよろしくお願いいたします！ (2020年11月28日 13時) (レス) id: 55e2874e26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらび餅 | 作成日時：2020年11月15日 9時
