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千寿郎side
____ようやくAさんの熱が下がった。
倒れた身体を運ぶときに、火に直接触れたように体温が高く
俺はまた、大切な命を失ってしまうのではないかとゾッとした。
(自分の体調不良にも気付かず、任務や鍛錬を行っていたなんて…)
俺は氷袋を持ち上げ、傷口のガーゼを新しいものに取り替える。
千「夕飯…作ってまいりますね」
起こさないように小声で伝え、俺は台所へと向かった。
…
千「…ふぅ、」
父と自分用のサバの味噌煮と、Aさんの為の鮭のお粥を作り終え、ほっと息をつく。
捲っていた袖をおろし、作った料理を慎重にお盆へと移した。
魚の良い香りがする。
こんなとき、兄は決まってこう言っていた。
「うむ！！今日はAの好物か！！」
いつも不思議だな、と感じていた。
何故なら、Aさんは、自ら好物を言ったことがなかったからだ。
千「Aさんは、なんのお料理がお好きなんですか？」
と聞いてみても、
『千寿郎君が作ってくれるものなら何でも好きだよ』
と言うだけだった。
でも、
魚を焼いている匂いをかいだりすると、やはり兄は笑うのだ。
「今日は魚か！Aが喜ぶな！！わっしょい！！！」
どうして好きだと分かるのですか、と
兄に尋ねれば
彼女は好きなことや楽しいことがあると、
口に手を添えて微笑むのだ、と得意げに教えてくれた。
俺はそのとき、
兄が自分以外の誰かの細やかな仕草を気にしていたことに驚いていたが
今考えれば、理由は簡単なものだった。
_____兄は、彼女
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ひなた(プロフ) - コメント失礼します。語彙力がすごい上にとても話が面白いのでこの作品推しますよ！この作品大好きです。 (2023年1月10日 15時) (
レス) @page9 id: 766649bc8e (このIDを非表示/違反報告)
靈菜(プロフ) - コメント失礼します！ほぼ毎日読ませて頂いてます!話の構成がとても上手ですごく憧れてます！どのような感じで考えているのか、良ければぜひ教えて下さい！ (2021年10月2日 22時) (レス) @page2 id: b6a4af0785 (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - ひかるさん» 合掌…!!?こちらこそ朝早く読んでくださって本当に嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年11月29日 8時) (レス) id: 55e2874e26 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 朝から震えが止まりません・・・！更新ありがとうございます！（合掌） (2020年11月29日 8時) (レス) id: e49f586e8e (このIDを非表示/違反報告)
餅(プロフ) - ゆず＠yuzuさん» そんな、感情移入してくださっていたなんて…光栄です…(泣)はい！更新頑張らせていただきます！これからもぜひよろしくお願いいたします！ (2020年11月28日 13時) (レス) id: 55e2874e26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらび餅 | 作成日時：2020年11月15日 9時
