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煉獄side




千「ひ、火宮さん!!父上!!
兄上が火宮さんに会いたがっています!!」




…何か、聞かれてはまずいことでも話していたのだろうか。



妙に焦る千寿郎の姿を見て俺は益々気になり、父上の部屋の襖を開けた。




「なんだかよく分からないが、父上、失礼致します!!」





襖を開けると、俺の言いつけを覚えていたのだろうか。
動き易いジャージ姿で正座をしている火宮がいた。


少し奥に目線を移すと、父上が胡座をかいて座っている。

珍しくお酒を口にしていない。







『…あ!煉獄先生!!
お邪魔しています…!』


「うむ!さっきぶりだな!!」







俺が声を掛けると、彼女は微笑んだ。




「…ところで、火宮はどうして門の前ではなく、ここにいるんだ?」








個人的には、さりげなく聞いたつもりだったのだが…。





言葉選びをまたもや間違えてしまったらしい。

火宮は顔を真っ青にし、頭を下げた。





『す、すみません!千寿郎君に待てって言われてたのに…』


「ああ、いや、責めるつもりではなかったんだ!聞き方が少々厳しくなってしまったな!すまない!!」


『い、いえ、私が言いつけを守らなかったのがいけないので…』




槇「俺がここまで連れて来たんだ。」






申し訳なさそうに謝る火宮の言葉を覆い被すように、
父上が話し始める。







槇「俺がこの子を部屋に連れてきたんだ。この子は悪くない。


杏寿郎、お前が言っていたのはこの子だろう?」




「…!はい!間違いありません!!」





俺がはっきりと返事をすると、父上は朗らかな様子で言った。


槇「はは、そうだろうな」




少し、口角が上がっているように見える。

父上が笑うところを久しぶりに見たので、俺はかなり驚いた。





父上は話を続ける。





槇「今日は、道場の見学に来たそうだな。

…どれ、久しぶりに俺が少し稽古をつけてやろう」




『……………え?』

千「えっ…!?」

「よもっ…!!??」





あまりにも唐突で意外すぎる父上の発言に、
三人は金魚のように口を開け、パクパクさせた。





槇「嫌なら別に構わないが」


『い、いいいいやいや全然嫌じゃないです!!!』


「父上!俺と千寿郎もついて行ってもよろしいでしょうか!」

槇「好きにしろ」





照れ隠しのようにも取れるその言葉を受け取り、

俺達は稽古場へと向かった。

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ひなた(プロフ) - コメント失礼します。語彙力がすごい上にとても話が面白いのでこの作品推しますよ!この作品大好きです。 (2023年1月10日 15時) (レス) @page9 id: 766649bc8e (このIDを非表示/違反報告)
靈菜(プロフ) - コメント失礼します!ほぼ毎日読ませて頂いてます!話の構成がとても上手ですごく憧れてます!どのような感じで考えているのか、良ければぜひ教えて下さい! (2021年10月2日 22時) (レス) @page2 id: b6a4af0785 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ひかるさん» 合掌…!!?こちらこそ朝早く読んでくださって本当に嬉しいです!ありがとうございます! (2020年11月29日 8時) (レス) id: 55e2874e26 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる(プロフ) - 朝から震えが止まりません・・・!更新ありがとうございます!(合掌) (2020年11月29日 8時) (レス) id: e49f586e8e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ゆず@yuzuさん» そんな、感情移入してくださっていたなんて…光栄です…(泣)はい!更新頑張らせていただきます!これからもぜひよろしくお願いいたします! (2020年11月28日 13時) (レス) id: 55e2874e26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わらび餅 | 作成日時:2020年11月15日 9時

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