辛いです、煉獄先生。【炎柱】

30 ページ31

Aside





____空気が変わった。








この、肺が焦げるような熱い匂い。
忘れるはずがない。分からないはずがない。

何度体感したことだろう。何度血を吐きそうになったことだろう。




これは…この気配は…。






『____炎の_呼吸…?』









____そうか。


さっき、確かに煉獄さんは言っていた。






“ 煉獄家は代々、昔からこの家に伝わる剣術を伝承する為、剣術道場をやっている！

俺も勿論、その道場の門下生の1人だ！ ”







___記憶は無くても、呼吸や型は現在にも伝承されているのか…。




私が様々なことを考えてる間に、
彼は構える。






……嗚呼、
何年ぶりだろう。貴方のその勇敢な様を見るのは。


才能ではない。ただ、貴方のひたむきな努力が感じられる、その無駄のない構えが、背中が、






ずっと前から好きでした。








「炎の呼吸__壱ノ型__」





貴方がその呼吸を使うなら




『炎の呼吸_肆ノ型__』




それならば___




貴方の一番弟子だったわたしが




見て見ぬフリをするなんて









____出来るわけ、無いでしょう__?









「『 不知火 / 盛炎のうねり 』」







『･･･ｯ』





肺が痛い。喉が焦げる。腕がちぎれそうだ。



久しぶりのこの感覚。





脚から頭まで、身体中全てが
熱い、熱くて、暖かい__




貴方の美しい炎に包まれる

今の私は、炎。

31→←29

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す